店長のための「言える化」推進計画(その18) - コラム - 専門家プロファイル

松下 雅憲
株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
東京都
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閲覧数順 2024年04月24日更新

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店長のための「言える化」推進計画(その18)

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「なるほどわかりました。ところで、私はこう言う方法も効果的だと思うのですが、Aさんのアドバイスを頂けませんでしょうか?」

おおよそ大学生とは思えない大人な発言方法で自分の意見を述べたのは、この店のアルバイトBさん。みんなが黙りこくってしまうような会議の進め方をするスタッフリーダーのAさんに、実にうまく意見を伝えるスタッフです。彼は、店舗ミーティングでのスタッフの積極的な言える化を進めるために、積極的に自分が会議でうまく意見を伝えていくある方法を実践しています。その彼の、「上司に自分の意見を上手に伝える方法」を4ステップにまとめたものがこれです。

ステップ1:上司の話に態度と言葉で承認する
ステップ2:元気に手を挙げる
ステップ3:上司に勝とうとしない
ステップ4:感謝を伝える

今日は、その3つ目である「上司に勝とうとしない」について、解説致しましょう。
アルバイトの立場であっても、部下の立場であっても、自分の意見を持つひとは、何かと上司に対抗しようとする気持ちを持つものです。その気持ちの奥底には、どうも「上司に勝ちたい」「上司に負けたくない」という心理があるように思えるのです。(と言うか、私がそうなんですけどね。)

そして、「『勝つ』為には『戦い』をしなくてはならない」という心理が、私のような「勝ち負けにこだわる負けず嫌いタイプ」には「強い思い込み」として存在するのです。この心理や思い込みがあるが故に、上司に意見を言う時に、戦いに勝つ気持ちで突っかかって行ってしまうのです。前にもお話ししましたが、上司にもプライドや立場がありますから、部下やスタッフから突っかかってこられると、自然と反撃体制に入ってしまいます。しかし、部下やスタッフの立場で上司や先輩、店長には簡単に勝てるわけではありません。と言うか、そもそも勝ってはいけないのです。

もう少し細かく言うと、「上司に表面的には勝ってはいけない」のです。相手は、もともと会議で部下の意見を封じ込めるような空気を作るプレッシャータイプの上司です。部下から攻撃を受けたと感じると、全力で反撃してきます。こう言う上司は部下の前で負け姿をさらすわけにはいかないのです。なので、立場や権力など使えるものは全部使って、突っかかってきた部下を攻撃してきます。その手は、部下が負けを認めるまで緩めることはありません。

これでは、本来の目的(自分の意見を伝えて合意してもらうこと)など、どこかへ吹っ飛んで行ってしまいますよね。たとえ、会議の席上で部下が正論を通して上司に勝ったとしても、上司はそれを心底は受け入れないでしょうし、気まずい空気が残ってしまうでしょう。それでは、チームのパフォーマンスは必ず低下してしまいます。

さて、ではこの店の会議で言える化を進める大学生バイトのBさんには、そう言う「勝ちたい気持ち」は無いのでしょうか?
「実は、僕は、以前はかなり攻撃的に意見を言うタイプでした。ところが、大学1年生の時にサークルの先輩に自分の意見を言う時に、いつものように攻撃的に突っかかって行ったんですが、逆に、ボコボコに返り討ちにあったことがあるんです。で、その後にその先輩に、『お前の意見の方が正しいと思うけど、先輩という立場上負けるわけにはいかない。だから全力で反撃したんだ。今度からは、意見を言うときは、表ではなく裏で勝て。』と言われたんです。」

Bさんは、先輩に言われた意味を深く理解し、表面的には、先輩や上司に恥をかかせないようにして、力ずくで自分の意見の正当性を主張したり、上司の意見の間違いを突いたりしないようにしました。自分の意見・提案に対しては、「ご意見を伺う」もしくは「アドバイスをもらう」という柔らかな方法にバージョンアップしたのです。部下の方が大人な発言をすると、上司はもっと大人にならざるを得ません。それも、ステップ1,2を踏まえてから、このステップ3を行うと、ほとんどの場合、上司は「その考え方も良いね」と、柔軟な態度を示すようになるのです。先輩からの教えを深く追求した結果、彼はこの技を会得したのだそうです。

上司に対抗して意見を主張するのではなく、
上司を大人にさせながら、自分の意見に対してアドバイスを求める。
そして、結果的に上司に自分の意見を認めさせる。

これが、「上司に勝とうとしない」と言う、「上司に自分の意見を上手に伝える4ステップ」の一番の極意なのです。これは、部下の立場の人が、余裕を持って「大人な態度」で意見を言うことがポイントです。アドバイスを求められると、「表面上」は上司の勝ちに見えるのです。でも、実際は、部下はちゃんと「利」を得ていますよね。

この技、いかがでしょうか?是非、あなたもチャレンジしてみて下さいね。面白いくらい上司も「大人」になりますよ。

では、明日は、この4ステップの最後、ステップ4「感謝を伝える」についてお話し致しましょう。どうぞ、お楽しみに。

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