
- 横山 彰人
- 株式会社横山彰人建築設計事務所
- 建築家
対象:住宅設計・構造
親世帯と子世帯の理想的な同居 〜2世帯住宅編〜
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『建築家となら望みどおりの家が建つ』
建築家が明かす家づくりの極意 3-1
2008-07-23 17:12
設計に入る前にじっくり検討することが必要だと思います。この十分なシミュレーションがなされず、未消化のまま設計が行われた場合、次のような三つの不満を招くことになります。
一つめとして、二世帯住宅の同居のかたちは、''「完全分離型」''、''「部分共用型」''、''「完全同居型」''に分けられますが、どのかたちを選ぶかという段階で選択を誤ってしまうケース。
二つめは、限られた敷地面積、さらに建ぺい率、容積率といった法的制限の中で、お互いの世帯にとって必要な部屋数・広さを確保できず、いずれかの家族が我慢を強いられ、次第にストレスが蓄積されてしまうケース。
三つめは、部屋数が満たされていても、間取りの中にそれぞれの夫婦の居場所や逃げ場がなく、日常の小さな問題が積み重なつて、自分自身が追い詰められてしまうケース。
設計の段階で十分な設計打ち合わせを行わず、安易に設計が行われているのであれば、設計者の側の問題でもあります。設計者としては、十分な時間をかけて二つの家族像を読み取って表現する提案力が必要で、その意味では一家族の住宅設計と比べて、二世帯住宅の設計ははるかに難しいと言えます。
「完全分離型」は親世帯と子世帯が、玄関から浴室、洗面所、キッチンといった設備スペースや間取りまで、すべて分離しているタイプ、つまり屋根は同じでも完全な二軒分の設備と部屋を備えている形式で、建設工事費が最も多くかかります。
人間関係については一番問題が少ないように見えますが、広い土地を所有しているというならともかく、一般的には、お互いの世帯の環境や条件が全く平等とはいかず、例えば、どちらの世帯を二階にするか、どちらが日当たりが良いかなど、感情的なしこりを残すことも少なくありません。
「部分共用型」は、二世帯がいくつかの機能を共用するタイプで、例えば玄関、リビング、浴室、洗面所は共用するが、洗濯機やトイレは別々といった形式です。家族関係の密度や関係性によって異なりますが、共用部分が多ければ多いほど建設工事費は少なくてすみます。が、後で一番トラブルが発生しやすいタイプでもあるのです。
「完全同居型」 は、かつての大家族制のように、すべての生活設備を共用するタイプですが、親が定年前なのか定年後なのかによって、親世帯の共用スペースの領域が変わってくるので配慮が必要です。この完全同居型でも、生活時間に違いがあるようだと、お互いの寝室や玄関、浴室、キッチンの位置によって、遠慮や気兼ねが出ることが多いものです。間取りのレイアウトはもちろんのこと、子世帯に簡易的なミニキッチンやシャワを設置することによって、ストレスの因子を取り除いてあげる配慮が大切です。
2回目(3-2)につづく・・・
2世帯住宅についてのコラムは、リフォームHP中段の『2世帯住宅をつくる前に考えること』でも詳しく解説しております。ご参考までに。
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