- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
最近の天敵は・・2
もっともっとというか最近ではあるがだいぶん前のこと。
何とは言いませんがとある物件の時・・
住宅などではない建物ですといろいろと建築以外の他法令の許認可なども必要になってきます。
たとえば・・
クリニックとか薬局とか介護施設とか工場とか・・
保健所だの薬事法だの工場法だの産廃法だのの許認可です。
もちろん、こういった許認可の申請・検査などは我々では出来ませんのでお客さん本人やそれ専門の方にお願いしたりすることになります。
その物件もこういった建築以外の他法令の許認可がたくさんある物件でした。
すると・・
お客さんに頼まれたのです。
出来れば建築確認申請は役所に出して欲しいと。
ようするに、他法令も当然建築の審査をし、検査に来るわけなのですが・・
それが全部同じ場所だと便利、というわけです。
え~
マジですか?
なんて言えないので・・
どうなっても知りませんよ?
なんて釘を刺しておいて役所に出すことになったのです。
結果から先に言いますと・・
半年かかって結局あきらめて取り下げました。
マジです。
内容が不備?
いえいえ・・
確認申請というのは法律で受理したら決められた期日内に絶対におろさなければならないと決められています。
こちらが取り下げない限りは絶対に下ろさなければならない物なのです。
受け付けた!
ということは根本的な不備はないということです。
補正書という・・
ここを直しなさいというFAXが何枚も指摘事項が何十も送られてきます。
すると役所に行って訂正するのです。
数日後また補正書が来ます。
先に直した訂正をまた直せという補正書が何枚もやってくる。
で、修正すると・・
またまた元の通りに直せ!
と補正書が何枚も送られてくる。
期日が来ると・・
この確認申請書は定められた期日内に補正が出来ていないのでおろせません・・
なんていう紙を渡されます。
それが何度も何度も何度もつづくのです。
しまいに書類も図面も一面が真っ赤っか!
訂正を書くところもない。
内容はといえば・・
この数字は見にくいので全部大きく書き直してください、とか・・
この計算はA×B+C=DではわかりにくいのでA×B=C C+D=Eに書き直してください、とか・・
そんなんばっかです。
次には書き直した数字が大きすぎるので小さくしてください、となる・・
そして・・
半年後にこう言われました。
「いいかげんにあきらめて民間機関に出し直してくれませんか?」って。
本当です。
こっそり担当者が耳打ちします。
ここだけの話だけど・・
「うちは絶対に4号申請以外はおろさないから・・」
出す前に言えよ・・
ようするに・・
一切責任取りたくないから簡易な物以外はおろさない!
それって法律違反でしょ?
だから駄目だとは絶対に言わない?
そんなに嫌なら確認業務なんてやめればいいじゃん!
もう・・
あきれるのを通り越してあっぱれ!
素晴らしい!
結局、お客さんに頭下げまくってお願いして・・
民間機関に出し直して・・
1週間で確認おりました。
これも、・・
本当です。
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