- 山本 俊樹
- インテグリティ株式会社
- ファイナンシャルプランナー
対象:家計・ライフプラン
- 吉野 充巨
- (ファイナンシャルプランナー)
- 吉野 充巨
- (ファイナンシャルプランナー)
膠着状態
6月のドル円マーケットは、105円−108円という非常に狭いレンジでの動きに終始した。しかし、ユーロ円については、162円から史上最高値の169円までじわじわと上昇を続けていった。
6月にFRBのバーナンキ議長はじめ次々とドル安への牽制発言が出てから、105円を手前にしてもみ合っていたドル円も105円を下値に108円までの円安基調に終始した。
しかし、6月後半には、再び金融機関の損失が拡大し、金融不安への根深さが再認識され、一方的なドル高円安方向には向かい難い状況である。
また、ユーロドルについいてみると、ユーロが利上げをしたことからドル安ユーロ高の基調が変わっていないが、利上げ後のコメントで中立スタンスを強調したため、新高値をつけるほどまでには動いていない。
このように、米国でのドル安懸念発言により、マーケット参加者は恐る恐るドルを売っては様子を見るという調子で、一方的なドル安方向には進みにくい状況である。
インフレと景気両にらみの欧米当局
世界的なエネルギー資源高騰によるインフレが世界経済を圧迫している中、欧米の金融政策も足元の景気を睨みつつ、インフレリスクを回避するための利上げも慎重にタイミングを見計らっているのが現状であり、共に動きが取りづらくなっている。
大胆予想
米国はG8サミットにおいても、強いドルは国益に適うと盛んに強調していたが、原油高の一つの要因である投機マネーへの規制には極めて消極的であり、地球温暖化に対しても日欧に比べ消極的な態度であり、口ではドル高、行動はドル安といったような見方がされている。そのため、近い将来更なるドル安局面に向うのではないかと考える。ユーロドルでは、1.6以上に、ドル円についても100円を目指す動きがもう一度あるように思える。
そして、このような急激なドル安の結果として、米国が為替介入を行う(ユーロが協調することがベストである)ことによって漸く、ドル安傾向が収まるのではないだろうかと予想する。