- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
高い家・安い家・・1
家の造り方っていうか建築の方法ってのにはいくつかの方法があるのですが・・
まあ当たり前なことですが。
その方法論において・・
お金がかかる、つまり値段が高くなる家造りの方法にはいくつかのパターンがあります。
実はなんて言うまでもないのですが・・
お金のかかる家なんての造るのは簡単!・・です。
見た目はふつ~に見える家であっても・・
材料などをみんな最高の物にすれば・・
あっという間に何千万!
そして・・
ぜ~んぶを製作するようにすれば・・
あっという間に何億円!
・・です。
高くなる要因というのは大きさや容積が同じ家だとすれば・・
まず1番目は・・
構造や工法に高価な方法を使う場合。
当然、木造より鉄筋コンクリート造の方がお金がかかりますし、建築基準法上の4号申請物件より3号などの方が設計も建築もお金がかかります。
敷地に大きな擁壁などが必要だったりすればそれだけで何千万もかかってしまったりもしますし・・
当たり前な話ですが免震構造だの高気密高断熱だのすればそれだけお金がかかります。
2番目は・・
高価な建築材料を使った場合。
これが一番多いパターンです。
。
サイデイングより吹付けが吹付けよりタイルがタイルより石が、と値段は倍々と上がっていきます。
まあ普通の形で現実的な大きさであれば値段の高い家や見積もりが高くなってしまうのはほとんどがこのパターンですね。 外壁をどこどこの建物みたいに大理石にしたい!なんて言うと・・ それだけで値段は倍になったりしてしまいます。 3番目は・・ 家をビルと同じ造り方で造った場合。 外壁1枚、窓1本でもビルと同じ物を同じ造り方付け方にすれば値段は数倍になります。 ビルではサッシ1本とっても住宅用とはアルミの厚みから違います。 ビル用は数十メートルの高さの風に耐えメンテナンスなど数十年間出来なくても大丈夫なように作るからです。 つまり高価になりすぎて金額があわなくて実現できないということ。 作ることは出来るかもしれませんが、家と同じ作り方をすると建物自体は悲劇的なことになってしまうということです。 そして最後の4番目・・ 今回話題にするのはこれなのですが・・ 全部作る場合・・ です。 どういう意味かって? つまり全部造る場合です。 基礎も・・ 窓も・・ 室内建具も・・ 壁も・・ キッチンも・・ 全部造る場合。 工場で作られた建材、既製品などをできる限り使わずにそれらを全部職人さんが一つ一つ造る場合。 これは家全体にデザインを込められるので・・ ようするに我々建築家なんて人が建てた家っていうのは・・ 値段が高くなることが多いってのはこのためなのです。
キッチン1つでも20万のものから何百万下手すればシステムキッチンだけで1000万なんてものまであります。
庇1つ作っても中身からまったく違うので値段はもっと違います。
よくビルしか作ったことのない設計士には住宅はつくれないなんていうのはこのためで・・
逆に家しか作ったことのない設計士は絶対にビルは作れないと言うのは・・
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