- 村田 英幸
- 村田法律事務所 弁護士
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
ビジネス法務2013年11月号「親会社に知ってほしい子会社が抱える悩み」と題する特集
「子会社はどんなことで悩んでいる?」
1、子会社の定義で問題となるのは、以下の法律等である。
・会社法
・財務諸表規則、連結財務諸表規則
・金融商品取引法
・法人税法の完全支配子会社(本稿では指摘されていない。なお、連結税務申告の対象は任意であるが、100%グループ法人の場合の税務申告は義務である。)
2、親子会社の関係について、
・持株会社
・製造会社と販売会社
・事業会社同士
・親会社の1部門や附帯業務を行う子会社(本稿では指摘されていない)
3、子会社の悩み
・契約書
・親子会社間の取引
・複数ある親会社の出資比率
・役員の派遣
・親会社への報告または承認
・販売先の制限
・上場会社である親会社の内部統制システムや会計監査
「トラブルに巻き込まれないための子会社の契約書管理」
親会社と契約の条件、契約書のフォーマットなどを統一する必要がある。
また、本稿では指摘されていないが、利害が相反しやすい親会社との間の契約をどのように取り扱うかも、大きな問題である。
「Q&Aで解決!親子会社間の人事労務」
1、親会社から派遣された子会社取締役が、親会社に有利となる利益相反取引をしようとした場合
2、従業員に子会社への出向、転籍
3、子会社に雇用されている従業員が雇止めされた場合、親会社に雇用関係を主張できるか。
本稿では指摘されていないが、最高裁の朝日放送事件やパナソニック事件により、親会社に直接、団体交渉したり雇用関係を主張できる場合は例外的である。
4、他社にM&Aされて子会社となった場合
(1) 役員
本稿では指摘されていないが、期中に選任・解任される役員の任期の問題がある。
(2) 従業員
① 人員整理
② 労働条件の不利益変更
就業規則による不利益変更がある。本稿では指摘されていないが、労働契約法9条、10条が問題となる。
または、本稿では指摘されていないが、労働協約や個別労働契約による不利益変更が考えられる。
「出資比率の違いによるガバナンスの悩み」
1、完全子会社の場合
親会社派遣の非常勤取締役がいる場合に、取締役会の開催、迅速な意思決定等が問題となる。
2、親会社が複数の場合
親会社同士の方針の違いが問題となる。
3、持株会社傘下の子会社
「東芝に聞く法務部の体制とグループ会社管理」
東芝では、コーポレート・ガバナンスを扱うコーポレート法務部とカンパニー法務部に分けられている。
コーポレート法務部では、コーポレート・ガバナンスに関する株主総会、取締役会、グループ経営、カンパニー間の調整を扱う。
カンパニー法務部では、個別の取引に関する契約の条件、契約書などを扱う。