- 松原 好克
- 日刊美容液新聞 編集長
- 岐阜県
- スキンケアカウンセラー/美容液研究家
スキンケアカウンセラーの松原です。
様々な保湿ケアがありますが、「肌に水分補給を!」
これを検証してみたいと思います。
肌の角質層には、外的侵入を防ぐ機能が備わっています。入浴や洗顔などで、体の中に水が入っていかないのは、そのおかけです。また、多くは脂質でできており、その名の通り水をはじく性質になっています。
つまり、外から水分を与えても、はじかれて時間と共に蒸発してしまうということ。同時に、肌の潤いを保つ皮膚そのものの水分と、外から補給する水分は全く違います。外から与える水分が肌の水分になるということは、科学的にも考えられません。
確かに、水分を与えると、一時的に潤った感じにはなります。しかし、濡れているだけで、加湿には相当しますが、肌の水分と結合することは、まずないです。
しかし、私達が重要視しないといけないのは、加湿ではなく”保湿”です。文字通り、湿気を保つということ。年齢による乾燥肌を予防するには、今までのコラムにも再三書きましたが、表皮細胞で作られて角質層に染み出す水分をどう保持できるか…これに尽きます。
手荒れに例えてみましょう。
手荒れも、当然、水分が蒸発しすぎて起きる乾燥肌です。水仕事をしておられる人は、ご存知だと思いますが、手がカサカサしてきたと思ったら、アッという間にひび割れて、アカギレになります。
なぜ、このようになるのでしょう!?
それは、水に濡らしたり乾かしたりを繰り返すからです。濡れた手は、乾く際に肌の水分も一緒に奪って蒸発します。そして、気温や湿度が下がる冬になると、外気の影響で、特に荒れやすくなるのはそのため。
輪をかけるように、寒いからといってお湯を使うため、荒れを進行させてしまいます。(肌の潤い感を保つセラミドは、水に浸しただけでも流れ落ちてしまいますが、熱いお湯は、さらに落としやすくなる)
ですから、手荒れハンドケア商品には、テクスチャーが硬いクリーム状のものが多いのです。
濡らすことは、肌を乾燥させます。
入浴は、美肌にとって良い部分もありますが、長時間浸かることは、セラミドを落としすぎてしまうリスクがあるため、ほどほどにしましょう。
洗顔は、ぬるま湯(36℃程度)で。
美容成分や流行りものばかりに目がいき、肌のことを知ろうとしない人が多いのも、今の世の中の特徴です。
せっかく良い化粧品を使っていても、自ら肌を傷めつけてしまっている人が、たくさんおられます。
そして、毎日の繰り返しで、少しずつ進行していくため、その原因に気付かない場合が多いのです。
スキンケアを真剣に考えたいと思われる方は、是非、今後もこのコラムをご覧下さい。
では、また次回をご期待下さい!