環境に配慮した企業や商品を確かめて買う事は、その企業を応援して環境社会を良くすることに繋がります!
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こんにちは。消費者考動研究所代表 消費者教育コンサルタント/消費生活アドバイザーの池見です。
この度、テレビ東京さんの夕方の報道番組「ニュースアンサー」から取材依頼をいただき、4月4日(金)に同番組内の「森本のアンサー“わからない”を見に行く5 なぜ? 割安な“詰め替え”高いワケ」で、価格の逆転現象と「環境に投資する」ことについてお話させていただきました。ここでは、この「環境に投資する」についてもう少し詳しくご説明いたします。
詰め替え用品と環境とのイイ関係
詰め替え用品は、本体容器より石油などの原材料の量を少なく、そしてコストも安く製造できます。消費者もその事を感覚的に予測できるため、「当然詰め替え用品の方が安いだろう」と思います。実際、私も店舗で調査したところ、ニュースアンサーさんが調査されたのと同じように、2/3の商品の価格は [高 本体容器入り-低 詰め替え用品]でしたが、1/3は詰め替え用品の方が1gまたは1mlあたりの価格が高い「逆転現象」を起こしていました。
この詰め替え用品は、テレビでもご紹介しましたように、CO2排出量の削減や、原材料(主に石油)の使用量削減など、環境の負荷を削減する企業の取り組みの一つです。 具体的には、商品を作る時からごみを焼却するまで商品のライフサイクル全体で環境負荷の軽減をはかる、重要なアイテムになっています。その一例は次のとおりです。
● 商品を作る時 ・・・ 化石原料の使用量や製造段階での廃棄物を少なくできます。
● 出荷して店頭に並べるまで ・・・ 硬さや体積がある本体容器より、柔らかくて体積の少ない詰め替え用品の方が、同じ形の箱に多く詰められます。トラックに積み込める箱数は限られていますので、詰め替え用品の方がトラック一台当たりでより多く運べます。すると、トラックの輸送回数を減らすことができ、それが排気ガス=CO2の削減になります。
● 家庭では ・・・ パッケージを捨てる量の削減ができます。
● ごみを燃やす際には ・・・ 本体容器より詰め替え用品の方が燃やす質量が少ないので、その分CO2排出削減になります。
"Buying is Voting"(買う事は、その商品・サービス・企業に投票する事)
私たち消費者と企業の関係は、
消費者=商品・サービスを選んで買う事で、企業にお金を投資する人
企業 =商品・サービスを消費者に選ばれて買ってもらうことにより、消費者から得たお金で活動を続ける人
と言えます。
ここで大切なのは、私たち消費者がどんな視点・考え方で「選ぶか」ということです。
例えば、安くてもすぐ壊れてしまう商品を買えば、また買い替えなければならないばかりか、ケガなど身の危険のリスクやごみを余計に出して環境負荷を掛けてしまうリスクを消費者個人が負わされてしまいます。しかし、消費者が単に安いという理由でこのような商品を買い続ければ、低価格・粗悪品を社会に提供するメーカーや販売店に利益を与え、事業継続のための資金を与えてしまい、巡り巡って世の中に低価格・粗悪品が広がる手助けになってしまいます。
一方、この詰め替え用品に戻ります。
インタビューの中でもお話しいたしましたが、そもそもメーカーは詰め替え用品を環境負荷を軽減するエコ商品と宣伝し、製造販売しています。言い換えれば、あなたがA社の詰め替え用品を買えば、あなたが代金として支払ったお金がA社の環境負荷削減活動につながり、また家庭から出るごみの削減にもなるはずです。
しかし、あなたが出した大切なお金を、本当にどれだけ地球の環境にやさしい活動のために活用しているのでしょか。また、その詰め替え用品が、さきほどの「商品のライフサイクル」を通してどれほどエコなのでしょうか。
それを知る方法があります。一つは企業の環境活動に対するサイトをチェックすること。もう一つは、企業が社会へ向けて自社の活動を公表・発行する「環境報告書」「CSR報告書」を読むことです。
例えば、洗剤大手メーカーのライオン株式会社では、トップNANOXの詰め替え用での廃棄プラスチック量削減効果や、ライフサイクルアセスメントの視点に基づいた環境負荷の自社評価基準をホームページで公表しています。 また化粧品メーカーのオルビス株式会社でも、主力スキンケア商品の「アクアフォースローション」における詰め替え容器でのCO2排出量削減効果について、具体的な数値で効果を公表していますし、他にもさまざまなメーカーが、こうした情報を提供しています。
自分が買い物の代金という形で出したお金を、受け取る側の企業が宣伝している内容にきちんと活用しているかどうか。しっかりと確認して、信頼できる企業・応援したい会社・もっと世に出てほしい商品やサービスを買うことで、私たち消費者は、間接的であれ直接的であれ、自分たちが望む社会をデザインすることできるのです。
かしこい消費者市民として
もちろん、環境ばかりではなく、価格や品質についてもチェックする事が大切です。
番組で森本キャスターも言われたとおり、「少しでも価格の安いものを買いたい」心理は消費者として当然のことです。そのために、どの洗剤、化粧品にしようかと最初に商品選ぶときは、本体容器品と詰め替え商品の両方について、1gあるいは1mlあたりの単価を計算してみて、続けて買う時のコスト計算をきちんと行うとよいでしょう。と同時に、原材料表示でどのような原材料を使用しているのかも確認し、品質について比較検討する事が大切です。
原材料名については、ケータイやスマートフォンなどで検索すると、その内容や人体に与える影響などがさまざまなサイトで紹介されています。IT端末を上手に使って、価格も品質も納得がゆく買い物をなさることをお勧めいたします。
そして、エコ商品であれば、自分の貴重なお金の行き先まで思いを巡らせて、ずっと付き合ってゆきたい企業・商品やサービスのものを選んで買うことが、かしこい消費者市民になるポイントです。今日のお買い物から、ちょっと気にしてみませんか?
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このコラムの執筆専門家
- 池見 浩
- (東京都 / 消費生活アドバイザー)
- 消費者考動研究所 代表
消費生活の専門家が消費者教育・啓発や消費者志向経営をサポート
消費生活アドバイザーは、消費者・企業・行政の懸け橋として、法律、生活知識、消費者志向経営や環境問題まで幅広い専門知識を持つ消費生活の専門家です。企業・自治体等で培った豊富な実務経験とノウハウで、貴方の消費者力UPと企業活動をサポートします。
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