
- ウジ トモコ
- 代表取締役 アートディレクター
- 東京都
- アートディレクター
対象:ホームページ・Web制作
- 原島 洋
- (Webプロデューサー)
- 井上 みやび子
- (Webエンジニア)
マックのヘビーユーザーです。(もちろん、仕事用ですが)
以前、勤めていたデザイン事務所で、一生で初めて触ったマックは確か、2ci?
不思議なただの箱でした。当時のイラストレーターのバージョンって確か、88(?)とか
ともかく3より以前のバージョンだったようです。
その後、まだ自宅に置いてあるQuadra840AV、
PowerMac9500、PowerBook540c、
PowerMacG3、PowerMacG4、PowerBookG4、
MacBookPro・・・
いやはや、本当にお世話になっています。
こんな私ですから「あれ」が欲しくない訳がありません。
・・・・でも、今のところなんとかがまんしています。(ちょっと待てば、ぜったい、シルバーとかピンクとかもっとオシャレなのが出るはず!)
Apple「リ・ブランディング」の上手さ
上の、びっくりするようなレトロな機種をみてお気づきの方も多いかもしれませんが、私がマックに出会ったのは『7色のリンゴ』の時代です。
正直、G3が発売された時、感動しました。
何もかもが新しい。
iMacの存在もショックでした。
そして7色のリンゴは、「新しいマーク」に変わっていました。
そうです。上の図で言うと、7色ではない、見慣れたグレーのリンゴマークです。
でも、意外にも、7色リンゴは嫌いではありませんでした。
たぶん、そういう古くからのユーザーは,他にもいたはずでしょう。
つまり、古くからのユーザーに慣れ親しまれてきたリンゴのモチーフは(認知の資産として)残し、時代性とある1部のユーザーの「好み」を象徴させているかもしれない7色のカラーをスタイリッシュで先進的、クオリティやクラスを感じさせるデザインイメージに刷新
した訳です。
リニューアルやリブランディングでよくクレームの対象になる項目のひとつに
「あれは残しておいて欲しかったのに、勝手に変えてしまった」というのがあります。
「バージョンアップ」ではなく「他人」になってしまうようなデザインリニューアル時もそうです。
その点、Appleは上手い!
本当に上手な展開だったと思います。
雰囲気を変えたのは、実はフォント(コーポレートタイプフェイス)
以前、AllAboutProfile(このブログ記事)の「リンゴの威を借る?」というエントリーでご紹介した一時代前のマックのサイトデザインを見て頂くとさらに分かりやすいと思います。
現在のAPPLEのサイトはサンセリフ(日本語書体はゴシック体)を使っていますが、以前はサンセリフではなく、ローマン体です。ちなみに、日本語のコピーは「明朝体」でした。
このサンセリフ(ゴシック体)に「コーポレートタイプフェイス」(つまりフォント)を変えて「カジュアル感」を強く押し出したiPodの新しい広告を見た時、メイン商品の価格帯を下げてメジャーを目指していくのでは・・・?そんな予感を古いマックユーザーの誰もが感じた事でしょう。
実際に、iMac IPod iTouch..... そして今回のiPhone・・・
「みんなのApple」「メジャーのApple」に変貌をとげたかった、経営の心情が広告展開からもひしひしと伝わってくるようです。
つまり、古いユーザーにとってのなじみ深いシンボル(であるリンゴ)を残す事で、人間が感じる最も大きな印象、ぱっと目の雰囲気、世界観、すなわち「トーン&マナー」といったものでさえ、実にスムーズにリニューアルした成功例
ということになるでしょう。
ちなみに、私の事務所でもサイトリニューアルや会社のロゴを変えたいと言うリクエストは非常に多いです。しかし、残念な話ですが、業種や企業の背景、進むべきビジョンと言ったものが全く違うにもかかわらず、「○○みたいなロゴに」という発注は、未だに後を絶ちません。
多くの理解あるクライアントに対しては、必ずロゴのシートのだけでなく、名刺とか、封筒とか、サイトデザインなどツール展開をして「トーン&マナー(雰囲気や世界観)」も同時に見せるようにしています。
そんな事をしていないで、分厚いロゴシートとレギュレーション(決まり事)を何十枚も作り、高額の請求に専念する方がもしかしたら事務所は儲かるのかもしれません。
でも、その作り変えたロゴがいったいどういう場所で、どのような媒体で、どのような大きさで使われるのか、という事をほぼ同時に考えていかないと、「経営戦略の可視化」としてのデザインリニューアルは難しいと思います。
ちなみに実は右上のサンプルは、こちらの会社にこうしたらとかいう提案ではありません。
(私自身は、いったいいくらかかったのかがとっても気になるだけで、新しいロゴには特別な意見も持っていません。たぶん、ユーザーではないからでしょう)
何億もの費用をCIにかける事が可能な大きな企業でないのであれば、先ずは、現状のデザイン資産の見直しから入ることもひとつの選択肢ではないかと、ただ、それだけを伝えたかっただけなのです。
私に依頼してくれたクライアントに対し、私は本気で飛躍して欲しい、デザインリニューアルで儲かって欲しいと心から願っています。そして、これからも、そのような提案を続けていきます。
なぜなら、このAppleに限らず、小さい事業のビジネスでも、秀でた「経営戦略の可視化」であるならば、素晴らしい飛躍が待っていると信じているからです。
▼デザインリニューアルは、慎重に!
視覚マーケティングのススメ/アマゾンマーケティング・セールス商業デザイン1位