- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
鴨脚のコンフィ confit de canard
フレンチバル「ル・ポン」でのお話しです。
鴨のコンフィの意外な話しとは・・・
定番メニューの鴨脚のコンフィですが、冬場になってから、ぱたっと注文が途絶えました。
なぜ? コンスタントに注文の入るメニューだったのに。
「メニューの書き方を変えたとか、黒板から消したとか?」
ミカエル店長に聞いてみました。
「ううん、全然。まったく同じ」
なぜなのかしら・・・?
ところがここ2.3日で、ぱたぱたと注文があった模様。
ここ数日、大阪に起こったこととは?
温かくなったのです。夜に外でお酒を飲んでもいいくらいの温かさ。
つまり人は寒い時期にはコンフィを食べたいとは思わないらしい、ということです。
私自身にとってはコンフィは通年のメニューであり、夏でもおいしいけど、冬でも違和感なく食べるもの。たとえばラタトゥイユなどは、夏においしい野菜、トマト、ズッキーニ、なす、パプリカの煮込みなので、寒い時期に作っても、本来のおいしさにはなりません(だからメニューからもはずしています)。でもコンフィは、特段季節を感じさせる料理ではないはずなのです。だからまさか気温が影響しているとは思いもよりませんでした。
しかしここまではっきりと傾向がでるとは!
理由はいまだ不明ですが、とにかく冬に日本人はコンフィを食べたいと思わないらしい、ということがはっきりしました。
もう一つのコンフィの意外な事実は、脂の中でじっくり煮たコンフィは、じつはそれほど脂ぎっていません。昔から、「油は油で洗う」という言い方があるように、脂の中で煮た身からは意外にも脂がかなり抜けているものなのです。
というわけで、温かくなりましたので、コンフィを食べにル・ポンにいらしてください。
(今は作り置きが少ないので、どうぞしばらくしてからお越しください)