7年前止めることを考えた建設事業が今は・・ - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月16日更新

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7年前止めることを考えた建設事業が今は・・

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 わたしは、起業と新規事業向けに、情報提供のための文章を9年近く書いています。長く書いて不安になるのは、これまで書いた文章の趣旨が現実と大きく違っていますと、起業アドバイザーとして質が問われることになります。東北地方で建設会社を経営している30代男性のメールには、驚きましたし少し安堵しました。

 彼は、父親の建設会社を継いで、建設事業が最も厳しかった07年に相談してきました。それまで事業の柱だった公共事業がどんどん減らされ、10人近い従業員を食べさせるため、飲食店のフランチャイズで開業を考えていました。国も、建設業から事業転換する会社には、補助金を出して勧めていた時期です。

 その時、わたしが書いた「周回遅れの建設業界での起業は、今がチャンス」を読んだようです。同じ街の建設業者が次々に、他の事業に転換していくなか、他が建設事業を止めるようなら、建設に留まるほうが将来はあります。一時、新規の建設工事が減っても、リニューアルやメンテナンスに事業を変えて、建設に留まるほうが有利です。

 これまで建設作業員だった人たちが、飲食店店員に仕事を切り替えてうまくいくとは思えません。彼は、その当時相当悩んでいて、気持ちは完全に飲食店オーナーに動いていました。ただ、ビジネスの鉄則は、他の人とは違う道を進むことです。みんなが飲食店開業に進むなら競争は激しくなります。逆に、建設事業は競争相手が少なくなります。

 その後、経営の厳しい時期が続きましたが、大震災が発生して東北地方の建設事業は劇的に変わりました。運よく、彼の住む地方は震災の被害がほとんどなく、建設の仕事は手に負えないほど依頼が来ていたようです。その後は目まぐるしく忙しい日が続いて、今では休む暇がないことが最大の悩みのようです。

 今回の相談では、会社の規模をこのまま拡大して、設備投資することがよいのかどうか。仕事の量に合わせ、従業員を増やすとよいのかどうかで躊躇しています。7年前とは、まったく180度悩みの質が変わってしまいました。建設関係の仕事をしていて、独立開業を考えている人も、周辺環境をよく調べたうえで、開業を考える時期に来ているようです