- 村田 英幸
- 村田法律事務所 弁護士
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
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川濱昇『企業結合ガイドラインの解説と分析』
商事法務、2008年
合併、会社分割、株式保有などを規制する公正取引委員会の企業結合ガイドラインについて、学者による解説である。
同じテーマについて、記述が重複している。基本書・ガイドラインを読んでいる人ならば、必要な個所を拾い読みすればよい。
今日までに、上記書籍のうち、以下の部分を読みました。
第1章 企業結合ガイドライン概説
市場支配力を示す指標であるHHI(ハーフィンダール・ハーシュマン指数)の算出方法と、HHIによるセーフハーバー(審査不要基準)、HHIが算定困難の場合の代替的算出方法については、理解しておかなければならない。
HHIについては、企業結合審査手続において公正取引委員会に提出する必要がある。
ただし、具体的な算出については、当該市場をよく知っている当事会社、経済アナリストが担当する。
第4節 企業結合ガイドラインによる競争制限効果の審査方法
Ⅰ 企業結合の違法性判断基準
Ⅱ 一定の取引分野の画定
1 概説
製品等の機能・効用が同一・類似であり、かつ、地理的範囲をもって、市場画定する。
2 仮定的独占者基準(SSNAPテスト)
この基準の評価については賛否両論がある。そもそも「仮定的」な基準であることが前提だから、絶対的な基準ではないことは言うまでもないであろう。
3 重畳的市場画定
市場画定は1つにとどまらず、複数の市場として画定され得る。
4 国境を越えた市場の画定
国際競争力を考慮すべきである。なお、本稿では指摘されていないが、日本の大企業は、世界市場でのシェアが低く、アメリカ・EUでは中小企業程度の扱いを受けることも多い。
Ⅲ 市場支配力分析の基本的枠組み
Ⅳ 単独の市場支配力
Ⅴ 協調による市場支配力
市場が寡占状態の場合、競争企業との協調により、市場支配力が生じる。
Ⅵ 効率性、破綻企業(についての考え方)
第2章 企業結合審査の対象
Ⅰ はじめに
Ⅱ 株式保有
Ⅲ 役員兼任(独禁法13条)
Ⅳ 合併(15条)
Ⅴ 分割(15条の2)
Ⅵ 事業譲受け等(16条)
第3章 一定の取引分野
第1節 ガイドラインの解説
Ⅰ 一定の取引分野の画定の基本的考え方
SSNAPテストの算出方法について述べられている。具体的な算出は、経済アナリストが担当する。
Ⅱ 供給者にとっての代替性
Ⅲ 商品の範囲
Ⅳ 地理的範囲
Ⅴ その他
第2節 一定の取引分野の画定の実際
第4章 水平型企業結合による競争の実質的制限
水平型企業結合は、競争事業者の数を減少させるので、取引制限的効果が生じやすく、または、競争事業者間の協調行動が生じやすいので、企業結合ガイドラインの主な対象である。
第5章 垂直型企業結合・混合型企業結合
これらの場合には、競争事業者の数を減少させないので、市場の閉鎖性・排他性、または、競争事業者間の協調行動が生じない限り、原則として、企業結合ガイドラインでは問題が生じない。
主な規制対象として、①垂直型企業結合の場合、複数の段階の市場において、競争事業者が参入しにくい状況が生じること、②経営資源(製品設備、原材料、流通網、技術など)を競争事業者が入手しにくくし、競争事業者を不利な立場におくこと(競争事業者の需要に着目した観点)、③市場の閉鎖性を作り出すことによって、競争事業者が売り先を見つけることを困難にすること(競争事業者の供給先に着目した観点)などがある。
第6章 問題解消措置
第7章 資料