栗の渋皮煮 重曹を使わずに - 料理教室 - 専門家プロファイル

塚本 有紀
フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
大阪府
料理講師

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対象:料理・クッキング

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閲覧数順 2017年04月26日更新

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栗の渋皮煮 重曹を使わずに

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(初出:all about専門家コラム 10/30/2011)

栗の季節が終わりかけると、毎年渋皮煮の仕込みに追われます。
(なぜかいつもこの季節、忙しいのです・・本当は虫の発生の少ないとされる早い時期のほうがよいのですが、なかなかそうもいきません)

ところで何年か前にテレビでやっていた「栗をチルドで冷蔵しておく方法」には本当に救われました。0℃に近いところに保管しておくと、栗自身が「凍るまい」として澱粉を糖に変えるので甘くなるというのです。

栗は買ったらなるべく早く茹でて虫の進行を止めなければなりませんが、私にとってなにより素晴らしいのは、少し時間稼ぎができること!
「立派な栗を見つけた日に限って忙しい」
私のマーフィーの法則は、それ以来どうでもよくなってしまいました。

もう10年も作り続けていますが、授業でみなさんに喜んでいただけるのはとても嬉しいことです。
「おいしい!」と言っていただけるのはさらにありがたいことですが、去年までじつはそのことにピンと来ていませんでした。
「栗と砂糖とちょびっとのコニャックだけだし、そんなに褒めてもらえるようなことかな。当たり前の栗の味だし・・」
と正直思っていました。もともと栗がおいしいのは、これはもう揺るがしようのない事実です。



ところが去年、授業に使う栗がどうしても足りなくなって、初めて瓶詰めの渋皮煮を買いました。味を見て、愕然! 栗自体の味が抜けているのです。そこで初めて手作りの栗の渋皮煮が当たり前においしいことを知りました。



私は渋皮煮に重層を使わないのですが(別になくてもできるので)、市販品は使いすぎるから皮が柔らかくなる利点はあるものの、同時に味も抜けるのではないか、と教わりました。(もちろん物によると思います)

へえぇ、そうだったのか。10年も作ってきて、今頃知りました。重曹を使わないことが私にはあんまりにも当たり前すぎたのか、考えてみたこともありませんでしたが、なるほどです。

重層を使わない分、もしかしたら使う方法よりは皮が厚いのかもしれません。お菓子の中に入れて焼いたり、ムースを固めたりするときは皮を剥いてしまうこともありますが、そのまま食べたり、飾りとして使う(結局はそのまま食べるためのもの)時に、とくだん皮が気になったことはありません。重層を使わないことの報酬が、栗の風味がそのまま残った渋皮煮なのだとしたら、私はやっぱり胸をはって、この先も使わないことを選択すると思います。

しかし思い返せば、使わない理由は「重曹を買いに行くのが、面倒だから」だったような・・。なしでやってみたら問題なくできたので、それっきり、です。
ご興味のある方はぜひどうぞ。

作り方

1. 栗を水から火にかけ、沸騰したら火を止める。
2. 渋皮に傷がつかないよう、慎重に鬼皮を剥く。*乾くと剥きにくいので、湯は切らない。
3. ボウルに水を張り、一晩栗をつけておく。*冷蔵庫に入れると渋が抜けにくいので、常温で。
4. 水をかえ、火にかける。沸騰してから30分弱火で茹でる。
5. ざるにあけ、渋皮の表面の筋をなるべくきれいにこすり取る。4と5をあと3回繰り返す(合計で30分×4回)。
6. 栗を計量する。
7. 1.5倍の水(栗が1kgなら水1.5kg)に50%の砂糖(同500g)を加えて一煮立ちさせ、栗を入れる。最沸騰してから30分弱火で煮る。アクはよくすくう。
8. そのまま常温に下がるまで放置する。
9. もう一度50%の砂糖(同500g)を加えて火にかけ、沸騰してからさらに30分弱火で煮る。
10. 殺菌消毒した瓶に栗を入れ、ひたひたまで熱々のシロップを注ぐ(この段階でちょうどひたひたの量になっていることが理想)。
11. コニャックを入れ(同大さじ2程度)、すぐに蓋を閉める。

*砂糖の量は減らしても構いません。ただし開封してからの保ちが短くなります。開封後は冷蔵庫保存。

*鬼皮を剥くときに、少々渋皮に傷がついても大丈夫です。大きく渋皮がめくれてしまった場合は・・・、栗ご飯にどうぞ!