労働者の未払賃金の立替払事業 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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労働者の未払賃金の立替払事業

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相続

   第3章 未払賃金の立替払事業

(未払賃金の立替払)
第7条  政府は、労働者災害補償保険の適用事業に該当する事業(労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第8条 の規定の適用を受ける事業にあっては、同条 の規定の適用がないものとした場合における事業をいう。以下この条において同じ。)の事業主(厚生労働省令で定める期間以上の期間(事業活動に係る期間は1年。施行規則第7条。)にわたって当該事業を行っていたものに限る。)が破産手続開始の決定を受け、その他政令で定める事由に該当することとなった場合において、当該事業に従事する労働者で政令で定める期間内に当該事業を退職したものに係る未払賃金(支払期日の経過後まだ支払われていない賃金をいう。以下この条及び次条において同じ。)があるときは、民法 第474条第1項 ただし書及び第2項 の規定にかかわらず、当該労働者(厚生労働省令で定める者にあっては、厚生労働省令で定めるところにより、未払賃金の額その他の事項について労働基準監督署長の確認を受けた者に限る。)の請求に基づき、当該未払賃金に係る債務のうち政令で定める範囲内のものを当該事業主に代わって弁済するものとする。

(立替払の事由)
施行令第2条  法第7条 の政令で定める事由は、次に掲げる事由(第4号に掲げる事由にあっては、中小企業事業主に係るものに限る。)とする。
一  特別清算開始の命令を受けたこと。
二  再生手続開始の決定があったこと。
三  更生手続開始の決定があったこと。
四  前三号に掲げるもののほか、事業主(法第7条 の事業主をいう。以下同じ。)が事業活動に著しい支障を生じたことにより労働者に賃金を支払うことができない状態として厚生労働省令で定める状態(事業活動等の状態、施行規則第8条。  施行令第2条第1項第4号 の厚生労働省令で定める状態は、事業活動が停止し、再開する見込みがなく、かつ、賃金支払能力がないこととする。)になったことについて、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主に係る事業(同条 の事業をいう。以下同じ。)を退職した者の申請に基づき、労働基準監督署長の認定があったこと。
2  前項の「中小企業事業主」とは、事業活動に著しい支障を生ずるに至った時前の時であって、厚生労働省令で定める時(中小企業事業主の判定時、施行規則第10条。  施行令第2条第2項 の厚生労働省令で定める時は、事業活動に著しい支障を生ずるに至った時のおおむね6月前の時とする。)において次の各号のいずれかに該当する事業主をいう。
一  資本金の額又は出資の総額が三億円以下の法人である事業主及び常時使用する労働者の数が三百人以下の事業主であって、次号から第4号までに掲げる業種以外の業種に属する事業を主たる事業として営むもの
二  資本金の額又は出資の総額が一億円以下の法人である事業主及び常時使用する労働者の数が百人以下の事業主であって、卸売業に属する事業を主たる事業として営むもの
三  資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の法人である事業主及び常時使用する労働者の数が百人以下の事業主であって、サービス業に属する事業を主たる事業として営むもの
四  資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の法人である事業主及び常時使用する労働者の数が五十人以下の事業主であって、小売業に属する事業を主たる事業として営むもの

(退職の時期)
施行令第3条  法第7条 の政令で定める期間は、次に掲げる日(事業主が前条第1項第4号に掲げる事由に該当した日以後、破産手続開始の決定を受け、又は同項第1号から第3号までに掲げる事由のいずれかに該当することとなった場合には、第2号に掲げる日)の6月前の日から2年間とする。
一  事業主が破産手続開始の決定を受け、又は前条第1項第1号から第3号までに掲げる事由のいずれかに該当することとなった場合には、当該事業主につきされた破産手続開始等の申立て(破産手続開始、特別清算開始、再生手続開始又は更生手続開始の申立てであって、当該破産手続開始の決定又は該当することとなった事由の基礎となった事実に係るものをいう。以下この号において同じ。)のうち最初の破産手続開始等の申立てがあった日(破産手続開始等の申立てがなかった場合において、裁判所が職権で破産手続開始の決定をしたときは、当該決定があった日とする。)
二  事業主が前条第1項第4号に掲げる事由に該当することとなった場合には、同号の認定の基礎となった事実に係る同号の申請のうち最初の申請があった日

(立替払の対象となる未払賃金の範囲)
施行令第4条  法第7条 の政令で定める範囲内の未払賃金に係る債務は、同条 の未払賃金に係る債務のうち、同条 の請求をする者に係る未払賃金総額(その額が、次の各号に掲げる同条 の請求をする者の区分に応じ、当該各号に定める額を超えるときは、当該各号に定める額)の100分の80に相当する額に対応する部分の債務とする。
一  基準退職日(前条に規定する期間内にした当該事業からの退職(当該退職前の労働に対する労働基準法 第24条第2項 本文の賃金又は当該退職に係る退職手当がこれらの支払期日の経過後まだ支払われていない場合の退職に限る。)の日をいうものとし、当該退職が二以上ある場合には、これらのうち最初の退職の日をいうものとする。以下同じ。)において30歳未満である者 百十万円
二  基準退職日において30歳以上45歳未満である者 二百二十万円
三  基準退職日において45歳以上である者 三百七十万円
2  前項の「未払賃金総額」とは、基準退職日以前の労働に対する労働基準法第24条第2項 本文の賃金及び基準退職日にした退職に係る退職手当であって、基準退職日の6月前の日から法第7条 の請求の日の前日までの間に支払期日が到来し、当該支払期日後まだ支払われていないものの額(当該額に不相当に高額な部分の額として厚生労働省令で定める額がある場合には、当該厚生労働省令で定める額を控除した額)の総額をいうものとし、当該総額が二万円未満であるものを除くものとする。

(認定の申請)
施行規則第9条  令第2条第1項第4号 の労働基準監督署長の認定(以下「認定」という。)は、事業主(法第7条 の事業主をいう。以下同じ。)が前条に規定する状態に該当することとなった場合(当該認定の基礎となる事実と同一の事実に基づき、当該事業主が破産手続開始の決定を受け、又は同項第1号 から第3号 までに掲げる事由のいずれかに該当することとなった場合を除く。)に、行うものとする。
2  認定を申請しようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を、当該申請に係る事業主の事業(法第7条 の事業をいう。以下同じ。)からの退職の日においてその者が使用されていた事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長を経由して、当該事業主の住所地を管轄する労働基準監督署長に提出しなければならない。
一  申請者の氏名及び住所
二  事業主の氏名又は名称及び住所
三  事業場の名称及び所在地
四  退職の日
五  事業主の事業活動の停止の状況及び再開の見込み並びに賃金支払能力に関する事項
3  前項の申請書には、同項第5号に掲げる事項を明らかにすることができる資料を添付しなければならない。ただし、前項の事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長がやむを得ない事情があると認める場合には、この限りでない。
4  第2項の申請書の提出は、退職の日の翌日から起算して6月以内に行わなければならない。

(認定の通知)
施行規則第11条  労働基準監督署長は、認定に関する処分を行ったときは、遅滞なく、その内容を明らかにした通知書を申請者に交付しなければならない。

(確認を必要とする者)
施行規則第12条  法第7条 の厚生労働省令で定める者は、次のとおりとする。
一  破産手続開始の決定を受け、又は令第2条第1項第1号 から第3号 までに掲げる事由のいずれかに該当することとなった事業主(同項第4号 に掲げる事由に該当した日以後、当該破産手続開始の決定を受け、又は同項第1号 から第3号 までに掲げる事由のいずれかに該当することとなった事業主を除く。)の事業を退職した者であって、次に掲げる事項について、裁判所の証明書又は当該事業主について破産手続開始の決定があった場合にあっては破産管財人、特別清算開始の命令があった場合にあっては清算人、再生手続開始の決定があった場合にあっては再生債務者等、更生手続開始の決定があった場合にあっては管財人の証明書(以下「裁判所等の証明書」という。)の交付を受けることができなかったもの
イ 破産手続開始の決定又は令第2条第1項第1号 から第3号 までに掲げる事由以下この号において「立替払の事由」という。)のうち当該事業主が該当することとなった事由(当該事由の基礎となった事実と同一の事実に基づき二以上の立替払の事由に該当することとなった場合には、最初に該当することとなった事由)及び当該事業主が当該事由に該当することとなった日
ロ 令第3条第1号 に掲げる日
ハ 当該事業主が1年以上の期間にわたって当該事業を行っていたことの事実
ニ 令第4条第1項第1号 に規定する基準退職日(以下「基準退職日」という。)(更生手続開始の決定があった事業主の事業から退職した者にあっては、基準退職日及び当該退職の事由)
ホ 基準退職日における当該退職した者の年齢
ヘ 令第4条第2項 に規定する支払期日後まだ支払われていない賃金について、労働基準法 第24条第2項 本文の賃金及び基準退職日にした退職に係る退職手当ごとの支払期日並びに当該支払期日ごとの支払われるべき額
二  令第2条第1項第4号 に掲げる事由に該当することとなった事業主の事業を退職した者

(確認を必要とする事項)
施行規則第13条  法第7条 の労働基準監督署長の確認(以下「確認」という。)を受けるべき事項は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項とする。
一  前条第1号に掲げる者 同号イからヘまでに掲げる事項のうち裁判所等の証明書の交付を受けることができなかった事項
二  前条第2号に掲げる者 当該事業主について認定があった日、令第3条第2号 に掲げる日及び前条第1号ハからヘまでに掲げる事項

(確認の申請)
施行規則第14条  確認を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を、その者が基準退職日において使用されていた事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄労働基準監督署長」という。)に提出しなければならない。
一  申請者の氏名及び住所
二  事業主の氏名又は名称及び住所
三  事業場の名称及び所在地
四  確認を受けようとする事項
2  前項の申請書には、同項第4号に掲げる事項を証明することができる資料を添付しなければならない。ただし、所轄労働基準監督署長がやむを得ない事情があると認める場合には、この限りでない。

(確認の通知)
施行規則第15条  所轄労働基準監督署長は、確認に関する処分を行ったときは、遅滞なく、その内容を明らかにした通知書を申請者に交付しなければならない。

(不相当に高額な部分の額)
施行規則第16条  令第4条第2項 の厚生労働省令で定める額は、事業主が通常支払っていた賃金(労働基準法第24条第2項 本文の賃金及び退職手当に限る。)の額、当該事業主と同種の事業を営む事業主でその事業規模が類似のものが支払っている当該賃金の額等に照らし、不当に高額であると認められる額とする。

(立替払賃金の請求)
施行規則第17条  法第7条 の請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した請求書を独立行政法人労働者健康福祉機構に提出しなければならない。
一  請求者の氏名及び住所
二  事業主の氏名又は名称及び住所
三  事業場の名称及び所在地
四  第12条第1号に規定する事業主の事業を退職した者にあっては、同号イからヘまでに掲げる事項
五  第12条第2号に掲げる者にあっては、事業主について認定があった日、令第3条第2号 に掲げる日及び第12条第1号 ハからヘまでに掲げる事項
六  令第4条 の規定により算定した弁済を受けることができる額
七  厚生労働大臣が指定する金融機関の預金又は貯金への振込みの方法によって、法第7条 の未払賃金に係る債務につき同条 の規定により弁済を受ける立替払賃金(次条において「立替払賃金」という。)の払渡しを受けようとする者にあっては、当該払渡しを受けることを希望する金融機関の名称及び当該払渡しに係る預金通帳又は貯金通帳の記号番号
2  前項の請求書には、同項第4号に掲げる事項を証明する裁判所等の証明書若しくは第15条の通知書又は同項第5号に掲げる事項を証明する同条の通知書を添付しなければならない。
3  第1項の請求書の提出は、第12条第1号に規定する事業主の事業を退職した者にあっては同号イに規定する日の翌日から起算して2年以内に、同条第2号に掲げる者にあっては事業主について認定があった日の翌日から起算して2年以内に行わなければならない。

(立替払賃金の支給に関する処分の通知)
施行規則第18条  独立行政法人労働者健康福祉機構は、立替払賃金の支給に関する処分を行ったときは、遅滞なく、その内容を明らかにした通知書を請求者に交付しなければならない。

(返還等)
第8条  偽りその他不正の行為により前条の規定による未払賃金に係る債務の弁済を受けた者がある場合には、政府は、その者に対し、弁済を受けた金額の全部又は一部を返還することを命ずることができ、また、当該偽りその他不正の行為により弁済を受けた金額に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。
2  前項の場合において、事業主が偽りの報告又は証明をしたため当該未払賃金に係る債務が弁済されたものであるときは、政府は、その事業主に対し、当該未払賃金に係る債務の弁済を受けた者と連帯して、同項の規定による返還又は納付を命ぜられた金額の納付を命ずることができる。
3  労働保険の保険料の徴収等に関する法律第27条 及び第41条 の規定は、前二項の規定により返還又は納付を命ぜられた金額について準用する。
4  政府は、第1項又は第2項の規定により返還又は納付を命ぜられた金額の返還又は納付に係る事務の実施に関して必要な限度において、厚生労働省令で定めるところにより、第1項の規定に該当する者(同項の規定に該当すると認められる者を含む。)又は事業主に対し、未払賃金の額、賃金の支払状況その他の事項についての報告又は文書の提出を命ずることができる。

(返還等)
施行規則第19条  法第8条第1項 又は第2項 の規定による返還又は納付の命令は、事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長が行うものとする。
2  法第8条第1項 又は第2項 の規定により返還又は納付を命ぜられた金額の返還又は納付は、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)又は都道府県労働局若しくは労働基準監督署に行わなければならない。

施行規則第20条  法第8条第4項 の規定による命令は、事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長又は所轄労働基準監督署長が文書により行うものとする。