- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
余りに高すぎる日本の証券会社の手数料、米国証券会社との比較で桁が違う
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私は、1998年から資産運用を続けています。その過程で数社の証券会社に口座を持ちましたが、今回それらを見直し、手数料コストの安い証券会社に纏めることにいたしました。
「投資の原則」では、(十分に分散を図ったポートフォリオを組み) 取引コストや保有コストの安いことが、利益を得る可能性が高いとされています。
私は、昨年までBUY&HOLDを基本として銘柄を求めてきました。また、投資の原則にのっとり、投資信託は買付手数料と信託報酬の高いアクティブファンドからノーロードで信託報酬の低いインデックス・ファンドに移行してきました。現時点では、保有するコストも含めて、トータルでコストが低くなる、ETFと現物株に移行してきました。
昨年中に優遇税制が終了するため、保有している株式投資信託・ETF・個別株のすべてを売却し損益を確定しました。一日置いて、略全ての銘柄を買い戻ししました。
その取引を実行する中で、各証券会社の手数料の高低を体感することになり、次いで、確定申告にあたり、一般口座で取引していた一部日本株・REITと外国株式の損益表を作成した際にその取引コストの高低に愕然としました。結論から言えば、日本の3大証券の手数料は高く、ネット証券といえども、外国株や海外ETFの為替手数料と取引手数料は高すぎです。
私の例ですから、全ての方に当てはまるものではありませんが、
大手A証券のネット取引は
J-REIT 8件の買付で買い付け手数料が0.32%かかっています。
外国株の売却では、外国為替の手数料を含まないUSドル部分だけで4件約の取引で約1.90%もかかっています。
実は、これとは別に大手B証券でも外国株を処分しましたか、その手数料からみれば、これでもとても安いレベルでした。
準大手のC証券は日本株が1件でしたが0.51%もかかりました。
一方、ネット証券D社のJ-REITの取引の場合0.104%です。ネット証券E社も同レベルでした。
大手ネット証券2社の外国株・ETFは申告のために円換算で作成しています。
D証券は16件の譲渡で手数料は0.127%、E証券は43件の譲渡で0.22%かかっています。
この比率は、昨年まででしたら、「安くて良かった」レベルですが。
昨年8月に口座を開設し取引を開始した米国の証券会社の場合、22件の譲渡で、上記ネット証券2社と比べて、一ケタ違う0.021%でした。なんと約1600万円の取引で3,400円です。手数料1ドル台の取引が17件もありました。
これらの結果から、私の顧問税理士とも相談し、今年度以降の株式・REIT・
A社に置いている日本株式、J-REIT、東証上場ETFは全て、日本の2大手ネット証券へ移行し、外国株は今後、日本から米国の証券会社に資金を移動することにしました。
A社は私が30代の時に取引を開始し、その後中断、2001年から再開、ネットでの取引も大手では比較的安く、海外ETFを最初に購入するなど、好きな証券会社でしたが、この結果を得て、お取引を止めることとしています。B社はあまりにも高い為、すでに今回の取引の前に全銘柄を売却して資金を引き揚げています。
当該米国証券会社との取引のメリットは、コストだけでなく、23ヶ国100市場にアクセスが可能で、米国国債やオプション取引ができ、日本語のサポートセンターがあります。
英語が非常に不得意な私でも、何とか日本語表示の画面と一部英語画面で口座開設が出来ました。
デメリットは、何といっても、英語がペーストの取引です。私はこのため翻訳ソフトを購入しました。問題発生の場合には、英会話・英文作成が必要になります。
日本の居住者の日本株取引は当該証券口座で購入はできません。米国に上場している銘柄・ADRだけになります。外国に居住を移した場合には、日本株の購入は可能です。
また、相続法(清算主義の国)が日本とは異なりますので、相続に備えた対応が必要です。
私もこれ以上資金を移動する際には、英文で遺言書を作成する必要に迫られます。これはM信託銀行の中に、部門がありますのでいずれ訪ねるつもりです。
文責
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨
【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
日本証券アナリスト協会認定 プライマリー プライベート・バンカー
宅地建物取引主任者 (東京)第188140号
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー&登録講師
独立系顧問料制アドバイザーとは
http://profile.allabout.co.jp/w/c-64005/
http://mbp-tokyo.com/officemyfp/column/12298/
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html
『このコラムは、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべて読者・ご相談者ご自身に帰属いたします。投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者・相談者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
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