blog201402-1 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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対象:民事家事・生活トラブル

加藤 俊夫
加藤 俊夫
(司法書士)

閲覧数順 2017年02月19日更新

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blog201402-1

今月(2014年2月)は、

[司法試験]
司法試験で選択科目として追加すべき科目
司法試験で選択科目として追加すべき科目(補足)

[民事法]
動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律
升田純『現代取引社会における継続的契約の法理と判例』
法学教室2012年3月号判例セレクトⅡ(行政法、商法、民事訴訟法など)

[民事再生法]
届出のない再生債権と民事再生法181条1項1号に基づく再生計画の定めによる権利変更( 最判平成23・3・1クレディア不当利得返還請求事件)、

[会社法]
弥永真生『演習会社法』有斐閣 (法学教室ライブラリィ)
現代企業法研究会『企業間提携契約の理論と実際』判例タイムズ社、2012年
東京地方裁判所商事研究会『商事関係訴訟法』(リーガル・プログレッシブ・シリーズ2)
東京弁護士会『会社法の法的論点と実務』弁護士専門研修講座、ぎょうせい、平成19年
東京高判平成23・1・26 会社分割の無効の訴えの原告適格

[交通事故]
交通事故と関係する労働者災害補償保険法・厚生年金保険法に関する最高裁判例
「障害等級」
労災保険法の身体障害と神経症状の障害等級
「受給権者」
労働者災害補償保険法の遺族補償年金の受給権者
「労災保険法と加害者への損害賠償請求との関係」
労災保険と使用者に対する損害賠償請求
労災保険法・厚生年金法の保険給付と受給権者の第三者への損害賠償額から控除の要否(損益相殺の類推)
第三者行為災害(交通事故)の過失相殺と労災保険法の関係

[自動車関連法]
道路法、
道路運送法、
道路運送車両法
貨物自動車運送事業法

[不動産法]
澤野順彦『不動産法の理論と実務(改訂版)』(商事法務、2006年)、
宅地建物取引業法のクーリング・オフ

[借地借家法]
借地借家法の条文
借地人の越境建築事例について解除の可否(最高裁昭和38年11月14日判決)
賃借した土地に不法投棄した産業廃棄物の撤去義務(最高裁平成17年3月10日判決)、

[不動産に関する行政法規]
国土利用計画法、
土地基本法
地価公示法
不動産の鑑定評価に関する法律
住宅の品質確保の促進等に関する法律
都市計画法、
宅地造成等規制法、
新住宅市街地開発法、
公有地の拡大の推進に関する法律、
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)、
都市緑地法
農地法
農地法の農地の権利移動・転用の制限、
農業振興地域の整備に関する法律
森林法、
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」
土地収用法
公有水面埋立法
土地改良法
道路法
河川法
海岸法

[建築紛争]
建設業法の条文、
建設業法に関する最高裁判決

[金融商品取引法]
金融商品取引法の条文、
金融商品取引法などに関する最高裁判例
強制公開買付規制の適用される範囲(最判平成22・10・22カネボウ損害賠償請求事件)
有価証券報告書等の虚偽記載のある上場株式と不法行為に基づく損害賠償請求の賠償額(最判平成23・9・13西武鉄道株式(不法行為)損害賠償請求事件)
インサイダー取引罪の成立に公開買付け等の具体的な実現可能性があることは必要でない( 最決平成23・6・6村上ファンド証券取引法違反被告事件)

[金融法]
金融商品の販売等に関する法律の条文、
商品先物取引法関係訴訟のポイント
最高裁決定平成4年2月18日、詐欺・商品取引所法違反被告事件
滝澤孝臣・編著『金融取引関係訴訟』(リーガル・プログレッシブ・シリーズ№11)
神田秀樹ほか『金融法講義』(岩波書店)
升田純『変貌する銀行の法的責任』民事法研究会、平成25年
投資信託及び投資法人に関する法律
資産の流動化に関する法律
不動産特定共同事業法
電子記録債権法
資金決済に関する法律

[信託法]
信託業法
金融機関の信託業務の兼営等に関する法律

[保険法]、
保険法の残された問題

[独占禁止法]
第二東京弁護士会知的財産研究会『ブランドと法』
現代企業法研究会『企業間提携契約の理論と実際』
藤井・稲熊『逐条解説・平成21年改正独占禁止法』
企業結合規制の規定の主な改正
第二東京弁護士会知的財産研究会『エンターテインメントと法律』のエンターテインメントに関する「独禁法と下請法の実務」

[経済法(事業規制法)]
中小企業等協同組合法

[消費者法]
特定商取引法の条文、
特定商取引法のクーリング・オフ、
特定継続的役務提供取引に関する、中途解約の場合の清算
中途解約精算金請求事件(NOVA事件)(最高裁判所第3小法廷判決平成19年4月3日)
最高裁決定平成4年2月18日、詐欺・商品取引所法違反被告事件
割賦販売法に関する最高裁判例

[知的財産法]
第二東京弁護士会知的財産研究会『ブランドと法』
知的財産基本法の条文、

[エンターテインメント法]
第二東京弁護士会知的財産法研究会『エンターテインメントと法律』
内藤篤『エンタテイメント契約法(第3版)』

[労働法]
労働者災害補償保険法の条文
労働災害に関するコラム
第三者の暴行が労災保険法の業務上災害に該当するか
労働災害と認められる要件(業務起因性の相当因果関係説)
労働者災害補償保険法に関する最高裁判例
「労働者」該当性
建設業従事者は労災保険法の労働者に該当するか
車の持込み運転手(傭車運転手)が労働基準法。労働者災害補償保険法上の労働者に当たらないとされた事例
「業務災害」該当性
労働者災害補償保険法の業務上災害ではないとされた事例
過労によるくも膜下出血について労働者災害補償保険法の業務災害と認められた事例
労災保険法施行後に生じた疾病は、同法施行前の業務に起因するものであっても、労災保険法の保険給付の対象となる。
「通勤災害」該当性
通勤災害(労働者災害補償保険法)
「労災保険の給付の支給制限」
労働者に故意・重過失ある場合の労災保険の支給制限の決定と不服申立て
事業主・労働者が労災保険料を支払っていなかった期間に労災事故が起きた場合の労災保険の支給制限
労災保険法の休業補償の給付制限
「障害等級」
労災保険法の身体障害と神経症状の障害等級
「受給権者」
労働者災害補償保険法の遺族補償年金の受給権者
「不服申立てと訴訟」
労災保険法の不服申立てと裁決前置主義との関係
「労災保険法と加害者への損害賠償請求との関係」
労災保険と使用者に対する損害賠償請求
労災保険法・厚生年金法の保険給付と受給権者の第三者への損害賠償額から控除の要否
第三者行為災害(交通事故)の過失相殺と労災保険法の関係
「社会復帰等事業」
労働者災害補償保険法の社会復帰等事業
「差押禁止」
金融機関が預金者に対する自働債権と預金者口座への国民年金・労災保険金の振込にかかる預金債権を受働債権として相殺することの可否
労働安全衛生法の条文
労働安全衛生法に関する民事の最高裁判例
労働安全衛生法に関する刑事の最高裁判例
雇用保険法の条文、
障害者の雇用の促進等に関する法律の条文

[社会保障法]
社会保障法の内容、
労働者災害補償保険法に関する最高裁判例
『社会保障法判例百選』の労働者災害補償保険法の部分
『ハイレベルテキスト労災法』
国民年金法の最高裁判例
厚生年金保険法、
厚生年金保険法に関する最高裁判決
『ハイレベルテキスト厚生年金保険法』
介護保険法、
高齢者の医療の確保に関する法律、
老人福祉法、
障害者基本法
障害者の雇用の促進等に関する法律
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」、
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」

[環境法]
環境基本法、
自然環境保全法、
自然公園法
廃棄物の処理及び清掃に関する法律についての最高裁判例(民事、行政訴訟、刑事)

[災害復興法]
激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律

などに関するコラムを作りamebroとAllAboutに掲載しました。


[司法試験]
司法試験で選択科目に追加すべきと思われる科目
平成18年に新司法試験が施行されてから、数年して、受験生の負担を考慮して、選択科目を廃止すべしとの意見もあるが、多数意見として、選択科目は存続すべきとされている。
ここで筆者が言いたいのは、さらなる多様な法律分野の専門家の育成を目指して、以下の科目を選択科目として、追加することを提言したい。
私が司法試験に合格した頃の約30年前には、法社会学者が弁護士の将来像を予測したのは、それぞれ個々の専門分野を持つ弁護士が数人以上共同して法律事務所を作るのが、各自の専門分野を生かせて効率的であるというものであった。
この未来像は形や規模は違うが、大規模法律事務所で実現されている。比較的狭い範囲の専門分野に特化する弁護士が多数所属して、全ての法律問題に対応している。これは「デパート型」と言われる。
また、「ブティック型」と呼ばれる、特定の法律問題に特化する法律事務所も存在する。比較的少人数の所属弁護士で、特定の法律問題で高名な弁護士が取る手法である。
なお、比較的マイナーな科目で、論文式になじまない科目は、択一式で問う方式もある。司法試験もひところは、民法の親族・相続法は、択一式でしか出題されなかった。
また、アメリカの司法試験は州によって資格が付与され、連邦法に関して共通問題は含まれるが、州法が異なる場合には試験問題も違う。日本の弁護士などがアメリカの司法試験を受験して驚いたのは、信託法など、当時の日本ではマイナーであった科目が択一式で出題され、範囲が極めて広いことであったという。当時のアメリカの弁護士は既に専門分野に特化していたが、逆にいうと、アメリカではロー・スクールを卒業して司法試験に合格すると司法研修所や実務修習制度がほとんど存在しないので、弁護士としてのミニマム・スタンダードを学ぶ機会として、最後の確認の意味で司法試験で出題されたのであろう。
以下で選択科目として考えられる科目のうちでも、思考力を問う論文式では不適当とされる技術的な規定の多い科目、あるいは単に基礎的知識を身に着けて欲しい科目などは、択一式で問うことも考えられてよい。
現在の司法試験の選択科目とされている知的財産法、租税法、独占禁止法、環境法などは、かっては、民事特別法ないし行政法各論とされていた科目である。
下記に掲げた法律分野も、現在では、特殊な法律ではなく、必要とされている法律である。
特別刑法以外の科目の内容については、本コラムで既に触れているし、これからも触れる予定である。
[選択科目として追加すべきと思われる法律]
社会保障法
金融法(金融商品取引法・金融商品の販売等に関する法律・信託法などを含む)
不動産法(借地借家法、区分所有法、不動産に関する行政法規などを含む)
消費者法(消費者保護を目的とする各種の事業法の規定を含む)
特別刑法(少年法・犯罪被害者保護法などを含む)。(注)現在の選択科目には公法・民事系の科目しかないので、刑事系の科目として、バランスを取る意味もある。

司法試験で選択科目に追加すべきと思われる科目(補足)

現代型契約(リース、フランチャイズ、代理店契約、電子商取引など)について、今後の民法改正で検討されていることもあり、民事法で出題することも可能であろう。また、電子商取引のうち、電子消費者契約法、特定商取引法は消費者法の一部である。

建築紛争は、民法の請負・売買に関連するが、住宅の品質確保の促進等に関する法律などが関係することがあるので、不動産法として出題することも考えられる。

商行為法は、旧司法試験の時代には、商法から保険・海商法の部分を除くとされていた。現在は、保険法は単行法として独立した。運送や運送取次に関する部分は、旧司法試験でも出題されていなかった。海商法はあまり一般的ではない。しかし、保険法や運送法は、商行為に関する法律として、択一式で問うことが考えられてよい。また、航空機輸送に関するワルソー条約などは、国際私法で出題されることも考えられる。

資源・エネルギー法は、資源大国のアメリカでは人気のある科目のようである。環境法の一部として、出題することが考えられる。

エンターテインメント法は、知的財産法の応用の側面が強いので、知的財産法で出題されることが考えられる。

企業金融法は、直接金融(株式、社債など)と間接金融(銀行などからの借入など)に分けられる。直接金融は会社法の一部である。間接金融は金融法の一部である。

企業会計法は、会計学の側面もあるが、会社法(会社計算規則)、金融法(金融商品取引法のディスクロージャー)、租税法として、出題されることが考えられる。なお、これらの法律によって、同じ経済事象でも、それぞれの法律によって取扱いが異なることがある。

災害復興法は、激甚災害が起きたときに必須だが、平時においては必要とはされないので、必要に応じて勉強すればよいであろう。



[保険法]
保険法の残された課題
保険法では、3種類の伝統的な保険(損害保険、生命保険、傷害疾病定額保険 )について、明確なルールが設けられた。
しかし、以下のような新しい分野の保険(従来のいわゆる「新種保険」)については、現在でも、主に約款によるルールで定められており、法律による規制が行われていない。
・専門家の職業賠償保険
・生産物責任の賠償保険 製造物責任法(PL法)の適用される対象以外もカバーする保険がある。
・施工・請負業者の賠償保険。ただし、新築住宅については、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)が適用される。中古建物のリフォームには、保険で対処することが考えられる。もっとも、リフォーム業者には、こうした保険にさえ加入していない業者も多い。
・金融商品については金融商品取引法が適用されるが、保険の中には金融商品(例えば、株式)で運用したり、信用リスクを補完するために保険を使うことがある(商品・役務に着目した規制)。保険業法には、金融商品取引法と同様の規定が設けられている(業者に着目した規制)。


[民事再生法]
届出のない再生債権と民事再生法181条1項1号に基づく再生計画の定めによる権利変更
 最判平成23・3・1クレディア不当利得返還請求事件
判例タイムズ1347号98頁

 1 本件は,Aの相続財産法人であるXが,貸金業者である株式会社クレディアを再生債務者とする民事再生手続における再生計画(本件再生計画)の認可決定が確定した後に,クレディアの権利義務を会社分割により承継したYに対し,Aとクレディアとの間の継続的な金銭消費貸借取引において発生した過払金に係る不当利得返還請求権が本件再生計画の定めにより変更されたとして,その変更後の債権(本件債権)の元本30万円及びこれに対する訴状送達日の翌日である平成21年5月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
 2 本件再生計画は,大まかにいうと,①確定した再生債権(再生手続開始決定の前日までの利息,損害金を含む。以下同じ。)の60%につき免除を受け,40%を再生計画認可決定確定後3か月以内に一括弁済する,②ただし,再生債権の額が30万円以下である場合は全額弁済し,再生債権の額が30万円を超える場合は40%相当額と30万円の多い方の額を弁済するというものであるが,再生債務者が貸金業者であり,再生債権の届出をしていない過払金返還請求権を有する再生債権者が多数存在することが見込まれたことから,その取扱いについて,特に定めを置いており,「再生手続開始に至った事情及び事業再生の基本方針」の項で,「〔当該債権者には『責めに帰することができない事由』が存在するものと考えるべきであり,民事再生法181条1項1号の趣旨を尊重して,〕請求があれば再生債権額の確定を行った上で,債権届出を行った債権と同じ条件にて弁済を行うべきと判断し,本再生計画案においてはそのような取扱いをしている。」としている。
一方,本件再生計画の「再生債権に対する権利の変更及び弁済方法」中の「一般的基準」の項では,届出のない再生債権である過払金返還請求権については,「当該債権者により請求がされ,再生債権が確定(債権額の確定を含む)した時(調停,訴訟,仲裁等の手続きがなされている場合には,それらの手続によって債権が確定する。),上記の内容に従って権利の変更を受け」,「その時から3か月以内に,上記の額を一括弁済する。」としている。
 Aとクレディアとの間の取引に係る過払金返還請求権については,再生債権の届出がされていないが,Xが過払金元本23万6614円,再生手続開始決定の前日までの利息7万6538円の合計31万3152円の債権(本件再生債権)を有する再生債権者であることは,当事者間に争いがない。
 Yは,本件債権については,本件再生計画で定められた弁済期が到来しておらず,Xがその支払を請求することはできないと主張して争っている。
 3 第1審は,Xの請求を全部認容する判決をした(なお,第1審では,第1回口頭弁論期日にYが出頭せずに弁論が終結されており,同期日において陳述したものとみなされたYの答弁書には,本件再生計画には期限の猶予の定めがあることに言及があるものの,その定めの内容が正確に記載されていなかった。)。
 これに対し,Yが控訴し,本件再生計画における期限の猶予の定めにつき主張を補充したところ,原審は,本件再生計画では,届出のない再生債権である過払金返還請求権については,再生債権が確定した時から3か月以内に権利変更後の額を弁済するものとされていることを認定しつつ,本件再生計画によれば,本件再生債権は,訴訟等の手続がされている場合には,判決の確定等によってはじめて確定するのであって,その確定を前提とする本件再生計画の定めによる権利の変更はいまだ生じていないから,弁済期の未到来をいうYの主張は失当であるとし,また,Xは過払金元本を超える部分に対する遅延損害金を請求することはできないとして,Xの請求を30万円及びうち23万6614円に対する平成21年5月26日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で認容すベきものとした。
 これに対し,Yのみが上告受理申立てをした。
 4 本判決は,①本件再生計画における基本方針の定めにつき,届出のない再生債権である過払金返還請求権について,一律に民事再生法181条1項1号所定の再生債権として扱う趣旨であると解し,そうすると,同項の規定するとおり,上記過払金返還請求権は,本件再生計画の認可決定が確定することにより,本件再生計画による権利の変更の一般的基準に従い変更されるとした上,②本件再生計画における権利の変更の一般的基準の定めにつき,再生債権者は,訴訟等において過払金返還請求権を有していたこと及びその額が確定されることを条件に,上記のとおり変更されたところに従って,その支払を受けられるという趣旨であると解して,本件債権の弁済期は,本件訴訟の口頭弁論終結時にはいまだ到来しておらず,XはYに対し,本判決が確定した時,すなわち本判決言渡しの日から3か月後の日限り,本件債権(本件再生計画の定めによる変更後の債権)の支払を求めることができるにとどまるとした。そして,本判決は,Xの請求は,弁済期未到来と判断されるときは,将来の給付を求める趣旨を含むものであると解するのが合理的であるとして,Yに対し,本件債権の元本30万円をその弁済期が到来した時に支払うことを命ずる変更判決をした。ただし,遅延損害金については,原審が本件再生債権(過払金)の元本額である23万6614円に対する部分の限度で認容していたことから,不利益変更禁止の要請により,それと同額の23万6614円に対する本件債権の弁済期の翌日以降の支払を命ずるにとどめた。
 5(1) 民事再生法は,再生計画認可の決定が確定したときは,原則として,すべての再生債権について,再生債務者の免責(再生債権者の失権)の効力が生じ(民事再生法176条,178条),例外として,免責の対象外とされる権利について,再生計画による権利の変更の効力が生ずるものとしている(民事再生法179条1項,181条1項)。このうち,民事再生法181条1項1号は,再生計画認可の決定が確定したときは,再生債権者がその責めに帰することができない事由により届出をすることができなかった再生債権は,再生計画による権利の変更の一般的基準に従い,変更されると規定している。これらの規定にいう「権利の変更」とは,再生手続内に限られたものではなく,権利自体の実体的な変更を意味すると解されている(伊藤眞『破産法・民事再生法〔第2版〕』812頁)。
 (2) ところが,本件再生計画は,届出のない過払金返還請求権について,一律に同号所定の再生債権として扱うものとする旨を定めつつ,その権利の変更の一般的基準の定めにおいて,「(訴訟等の手続によって)再生債権が確定した時,権利の変更を受ける」という,一見すると同号の規定と抵触するような表現を用いている。控訴審は,この部分の定めをいわば字面どおりに解釈して,上記のような判断をしたものと解される。
 しかし,本件再生計画は,届出のない再生債権である過払金返還請求権を一律に民事再生法181条1項1号所定の再生債権として扱うことを定めているのであるから,それによる権利の変更の効力は,同項の規定により,本件再生計画の認可決定が確定した時点で発生するのであり,本件再生計画の定めを全体としてみれば,上記のとおりの「権利の変更の一般的基準の定め」は,同項の規定に抵触する定めをする趣旨ではなく,届出のない再生債権については,その再生債権の存否及び額に争いがあれば,訴訟等により再生債権の存否及び額を確定することが権利行使の条件となることをいわんとしたものであると解するのが合理的である(現に,本件では,当事者であるX,Yのいずれも,この点については本判決と同様の理解に立ち,本件再生計画による権利の変更は本件再生計画の認可決定が確定した時点で既に生じていることを前提とした主張をしている。)。
 本判決は,このような理解の下に,上記のとおりの判示をしたものと思われる。
 (3) なお,本件は,貸金業者に対する過払金返還請求が多発する情勢の中で貸金業者が倒産し,潜在的な再生債権者が多数存在すること自体は明らかであるものの,具体的な再生債権者及びその再生債権の額を直ちに特定することが困難であるという特殊な状況の下で再生計画が定められた事案である。その事情の下では,貸金業者である再生債務者が届出をしていない再生債権である過払金返還請求権を一律に民事再生法181条1項1号所定の再生債権として扱うものとしたことに問題があるとは考えられないことから,本判決は,本件再生計画の定めの適法性につき,特に言及をしていないものと解される。
なお、再生計画において,民事再生法181条1項1号の要件を充足するとは考え難い債権を同号所定の再生債権として扱う旨が定められた場合の適法性については,本判決は何ら判示していない(本件再生計画につき,この点からの問題提起をするものとして,山本和彦「過払金返還請求権の再生手続における取扱い――クレディア再生事件を手がかりとして」NBL892号12頁参照)。
 6 本件は,上記のとおりの特殊な状況の下で,権利の変更の一般的基準の定めに誤解を招く表現が用いられていたことから,その意義が問題となった事案であるが,クレディアの再生手続は,民事再生手続の中で本格的に未届け過払金返還請求権の取扱いが問題となった初めての事例であり,また,再生計画の定めによる変更後の権利の行使に関する先例も乏しいことからすると,実務上参考となる。


[経済法(事業規制法)]
今月は、中小企業等協同組合法の条文を読みました。

中小企業等協同組合法
(昭和二十四年六月一日法律第百八十一号)
最終改正:平成二五年一二月一三日法律第一〇〇号
(最終改正までの未施行法令)
平成二十四年九月十二日法律第八十五号 (未施行)
平成二十四年九月十二日法律第八十六号 (未施行)
平成二十五年六月十九日法律第四十五号 (未施行)
平成二十五年十二月十三日法律第百号 (未施行)
 
 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 中小企業等協同組合
  第一節 通則(第三条―第九条)
  第二節 事業(第九条の二―第九条の十一)
  第三節 組合員(第十条―第二十三条の三)
  第四節 設立(第二十四条―第三十二条)
  第五節 管理(第三十三条―第六十一条の二)
  第六節 解散及び清算並びに合併(第六十二条―第六十九条)
  第七節 指定紛争解決機関(第六十九条の二―第六十九条の五)
 第三章 中小企業団体中央会
  第一節 通則 (第七十条―第七十三条)
  第二節 事業(第七十四条―第七十五条の二)
  第三節 会員(第七十六条―第八十条)
  第四節 設立(第八十一条―第八十二条の三)
  第五節 管理(第八十二条の四―第八十二条の十二)
  第六節 解散及び清算(第八十二条の十三―第八十二条の十八)
 第四章 登記
  第一節 総則(第八十三条)
  第二節 組合及び中央会の登記
   第一款 主たる事務所の所在地における登記(第八十四条―第九十二条)
   第二款 従たる事務所の所在地における登記(第九十三条―第九十五条)
  第三節 登記の嘱託(第九十六条)
  第四節 登記の手続等(第九十七条―第百三条)
 第五章 雑則 (第百四条―第百十一条の三)
 第六章 罰則 (第百十二条―第百十八条)
 
(法律の目的)
第一条  この法律は、中小規模の商業、工業、鉱業、運送業、サービス業その他の事業を行う者、勤労者その他の者が相互扶助の精神に基き協同して事業を行うために必要な組織について定め、これらの者の公正な経済活動の機会を確保し、もってその自主的な経済活動を促進し、且つ、その経済的地位の向上を図ることを目的とする。


 中小企業等協同組合の種類は、事業協同組合、事業協同小組合、火災共済協同組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合である(3条)。



[災害復興法]
激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律

今月は、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の条文を読みました。

激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律は、公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助、農林水産魚業・中小企業に関する特別の助成、その他、雇用保険法などの特別の財政援助及び助成を定めている。

激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律
(昭和三十七年九月六日法律第百五十号)
最終改正:平成二五年一二月一一日法律第九八号
(最終改正までの未施行法令)
平成二十四年六月二十七日法律第五十一号 (一部未施行)
平成二十四年八月二十二日法律第六十七号 (未施行)
平成二十五年六月二十一日法律第五十七号 (未施行)

 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助(第三条・第四条)
 第三章 農林水産業に関する特別の助成(第五条―第十一条の二)
 第四章 中小企業に関する特別の助成(第十二条―第十五条)
 第五章 その他の特別の財政援助及び助成(第十六条―第二十五条)

(趣旨)
第一条  この法律は、災害対策基本法 (昭和三十六年法律第二百二十三号)に規定する著しく激甚である災害が発生した場合における国の地方公共団体に対する特別の財政援助又は被災者に対する特別の助成措置について規定するものとする。

「激甚災害」とは、「国民経済に著しい影響を及ぼし、かつ、当該災害による地方財政の負担を緩和し、又は被災者に対する特別の助成を行なうことが特に必要と認められる災害で、政令で指定するもの」をいう(同法2条1項)。
激甚災害の指定を行なう場合には、当該激甚災害に対して適用すべき措置を当該政令で指定しなければならない(同法2条2項)。