- 高安 重一
- 有限会社アーキテクチャー・ラボ 代表取締役
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
押し入れや、ウォークインクローゼットなど…。収納が賃貸や購入の決め手になったりもする。
しかし空間としてみると収納は必ずしも美しく見えない。
理由は「建具かな?」と感じています。
部屋には出入り口、窓、収納の建具…と建具だらけです。そして部屋の各所がパタパタと開いたり閉まったりするわけですから、落ち着かないと言うか…。
よく考えると、収納は必ずしも部屋の中でなくても良いだろうと思っています。
部屋の前にあったらどうでしょう?部屋の中は建具が減って壁が増えて落ち着いてきますし、壁には好きな絵も飾れます。
部屋には必要最低限のモノを持ち込みますが、それ以外は部屋の外に収納を作ってしまえば良いかなと思っています。すると廊下はただの通路ではなく、自分の部屋の延長のようになりそうです。
また、あえて部屋の中心に収納をデザインしてしまう、という例もあります。
写真の「白い箱の家」と言う住宅のLDKです。
ここでの収納は、前述の“部屋の外に収納”と言うものではありませんでした。
このクライアントが生活するのに必要な、いろんな物事を収納するものをまとめてデザインし「部屋の中心に置こう」という計画です。
凸凹した立体が光を受けて陰影を作り出し、まわりにはそれとは対照的に、何もないシンプルな壁や天井が残されました。
そうすると、収納と部屋の関係は
・部屋の外に収納
・部屋の中に収納
・家具を置いて収納
の3つの形になります。部屋の中の収納であっても、扉や形状のデザインに注意すれば、「良い空間」になりそうです。