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村田 英幸
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鈴木 祥平
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閲覧数順 2017年10月20日更新

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Blog201401、金融法


今月(2014年1月)は、保険法、独占禁止法、借地借家法、不動産に関する行政法規、宅地建物取引業法、労働法、金融商品取引法、金融法、電子記録債権法、会社法、会社非訟、知的財産法、商標法、意匠法、不正競争防止法、信託法、破産法、倒産法、土壌汚染対策法、行政法などに関するテーマを中心に、以下のコラムを作りamebro(アメーバ・ブログ)とAllAbout(専門家プロファイル)に掲載しました。


・金融法の内容(金融商品取引法を含む)

金融法は、司法試験の科目とされていない。
法務省は司法試験の選択科目とするためには、学問として確立していること(受験生から見れば学習範囲が明確であること)、大半の法科大学院で4単位以上であることを目安としている。
司法試験の選択科目の場合、合格に必要な勉強時間としては、法科大学院の授業・ゼミが最低でも合計8単位は必要であろう。


金融法を司法試験の選択科目とすべきかどうか議論があった。しかし、
① 行政法や民事法と学習範囲が重複するし、
② 対象となる法律が業種ごとに多岐にわたること、
③ 金融機関に対する公法上の規制法(銀行法など業種ごとに異なる)、
④ 投資関係に関する金融機関に対する民事の損害賠償請求事件、
⑤ 金融機関の融資に関する取締役の善管注意義務に関する損害賠償請求事件など、
⑥ 金融法といっても、教授によって講義内容が異なり、学問的に確立しているとはいえないのではないか
⑦ 金融法は司法試験合格後に必要とされる人が勉強すればよい
⑧ 金融法は法科大学院によって開講されていない場合もあるし、開講されている単位数にバラツキがある。
と指摘されて、選択科目とされていない。


金融法といっても、
・金融商品取引法
・金融機関などに対する公法上の規制法(銀行法、貸金業法、出資法など)、
・金融機関などに関係する民事法、
・投資関係に関する金融機関に対する民事の損害賠償請求事件
・金融機関の融資に関する取締役の善管注意義務に関する損害賠償請求事件など、
・民法と金融法の関連(民法債権総論、担保物権法など)
・民事手続法との関連(民事訴訟法、民事執行法、民事調停法など)
・倒産法との関連(破産法、民事再生法、会社更生法、会社法のうち特別清算、特定調停法など)
・社債
・債権譲渡等を活用した資金調達手法(ファクタリング、売掛債権担保融資、シンジケートローンなどの新しい資金調達手法)
・ABL(流動資産一体型担保)、動産譲渡担保と債権譲渡担保を活用した資金調達手法
・資産流動化取引
・債権流動化取引の意義と基本的スキームの理解
・ 不動産流動化取引の意義と基本的スキームの理解
・電子記録債権法
など、法科大学院・教授によって講義内容が異なり、学問的に確立しているとはいえないのではないかと指摘されている。

金融商品取引法について
当時の証券取引法については、証券会社の特別法という印象が強かった。
しかし、証券取引法が金融商品取引法と名称が改正され、金融商品取引法の適用される対象が金融商品一般となった。その意味では、金融商品取引法は金融商品の一般法となったといっても過言ではない。それに伴い、概念定義が抽象度を増し、条文の数も増え、準用条文や政令委任などが増えて複雑となった。
また、例えば、会社法では「募集株式の発行等」という概念とは違い、金融商品取引法では「売出し」などの独自の概念が用いられている。
もっとも、概念の定義、制度趣旨を押さえて、テクニカルタームをまずは覚え、制度趣旨から考えて、金融商品取引法の規制からすると、こうなるはずと考えながら読むと、理解しやすいと思われる。
名称が似ているが、類似の別の概念・用語は、定義にさかのぼれば区別できるし、それぞれの要件・効果も確認しておくとよい。
ただし、金融商品取引法は毎年改正されていることには、留意が必要である。
金融商品取引法は法科大学院でも開講している学校も少なく、2~4単位が多いとされている。
ただし、金融商品取引法は上場企業にとって必須であり、今後の裁判例の展開も見込まれる。
なお、金融商品取引法は公認会計士試験の必須科目であり、金融商品取引法の一部は不動産鑑定士試験の択一式試験の科目にも含まれている。

[金融法の主な法律]
銀行法
信用金庫法
労働金庫法
信用協同組合法
中小企業等協同組合法
農業協同組合法
農林中央金庫法
水産業協同組合法
協同組合による金融事業に関する法律
株式会社商工組合中央金庫法

金融商品取引法
金融商品販売法
投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)
投資主、協同組織金融機関の優先出資に関する法律
資産の流動化に関する法律
不動産特定共同事業法
資金決済に関する法律
動産債権譲渡特例法
電子記録債権法
担保付社債法
社債、株式等の振替に関する法律
信託法
信託業法
金融機関の信託業務の兼営等に関する法律
商品先物取引法
出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)
割賦販売法
貸金業法
特定商品等の預託等取引契約に関する法律
商品投資に係る事業の規制に関する法律
金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律


金融法
ビジネス法務2007年11月号「電子記録債権」
新しく成立した電子記録債権法の概要がわかる。


金融法
神田秀樹ほか『金融法講義』(2013年、岩波書店)
神田秀樹ほか『金融法講義』(岩波書店)
東京大学での金融法の講義を再現したという、ある意味、決定版といえる本である。
ただし、金融商品取引法については、網羅的に解説されていない。
今日までに、上記書籍のうち、コラム、デリバティブ取引、投資信託の部分を拾い読みをした。
論述の基調は、やや金融機関(特に都市銀行)寄りではないかと思われる。
解説のレベルは客観的であり、おおむね高いといえる。
第1章 金融法概観
金融取引に関する特別法、銀行法などの概説
Ⅰ 伝統的銀行取引
第2章 受信取引法
第3章 与信取引法1-貸出し
第4章 与信取引法2-債権管理・債権回収
Ⅱ 現代型金融取引
第5章 シンジケート・ローン
第6章 デリバティブ
第7章 資産運用
第8章 社債
第9章 LBO・MBO
第10章  証券化


今月は、以下の法律の条文を読んだ。
投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)
資産の流動化に関する法律
不動産特定共同事業法
資金決済に関する法律
電子記録債権法
投資事業有限責任組合契約に関する法律
有限責任事業組合契約に関する法律


金融法の読んだ本(その1)

神田秀樹ほか『金融法講義』(2013年、岩波書店)
本文約500頁。
東京大学での金融法の講義を再現したという、ある意味、決定版といえる本である。ただし、金融商品取引法については、網羅的に解説されていない。
論述の基調は、やや金融機関(特に都市銀行)寄りではないかと思われる。
解説のレベルは客観的であり、おおむね高いといえる。
第1章 金融法概観
金融取引に関する特別法、銀行法などの概説
Ⅰ 伝統的銀行取引
第2章 受信取引法
第3章 与信取引法1-貸出し
第4章 与信取引法2-債権管理・債権回収
Ⅱ 現代型金融取引
第5章 シンジケート・ローン
第6章 デリバティブ
第7章 資産運用
第8章 社債
第9章 LBO・MBO
第10章  証券化


滝澤孝臣・編著『金融取引関係訴訟』(リーガル・プログレッシブ・シリーズ№11)2011年、青林書院
本文約177頁。
裁判官による共同執筆。実体法と訴訟法の双方の問題を意識して執筆されている。端的に問題点、結論、根拠条文、理由づけ、関係判例が簡潔にまとめられている。ダラダラ書いていないため、通読に向いている。
ただし、根拠条文、関係判例およびその理由づけについては、自分で確認する必要がある。
また、当該金融取引の仕組み自体についての説明がほとんど記載されていないため、初学者がいきなり本書だけで理解するのは難しいであろう。
第1章 金融商品取引関係訴訟(取引損害訴訟、差損金請求訴訟、デリィバティブ取引関係訴訟、外国証券取引関係訴訟)
第2章 金融商品販売関係訴訟(預貯金取引関係訴訟、信託取引関係訴)
第3章 商品先物取引関係訴訟(損害賠償請求訴訟)
第4章 貸金業取引関係訴訟(貸主側の提起する訴訟、借主側の提起する訴訟)
第5章 信販取引関係訴訟(販売業者等の提起する訴訟、購入者等の提起する訴訟)
第6章 特定商取引関係訴訟(販売者等の提起する訴訟、購入者等の提起する訴訟)


近藤光男『基礎から学べる金融商品取引法(第2版)』
 本文は約210頁ある。2日で読める。私が短期集中で読めたのは予備知識があったからですが、集中力のある方ならば、1日で読めると思います。
近藤教授は、証券取引法が改正されて金融商品取引法という名称に代わる前から、『証券取引法読本』という概説書を出されていた権威である。『証券取引法読本』は、私は弁護士になってから、筑波大学院のときに、「証券取引法」の講義を受講した際に、テキストとして指定されていたので、読んだ。
証券取引法については、例えば、野村証券が東京大学に同法の寄付講座を設けてもらったり、法律や定義の名称、適用される対象が証券会社であったりして、証券会社の特別法という印象が強かった。
私は、社会人向けコースの筑波大学院の法学修士課程(企業法学専攻)で証券取引法の講義(2単位)を受けて、教材として指定された近藤教授の『証券取引法読本』で、はじめて証券取引法を勉強した。その頃は、インサイダー取引に関する刑事事件を除けば、裁判例も少なかった。
しかし、証券取引法が金融商品取引法と名称が改正され、金融商品取引法の適用される対象が金融商品一般となった。その意味では、金融商品取引法は金融商品の一般法となったといっても過言ではない。それに伴い、概念定義が抽象度を増し、条文の数も増え、準用条文や政令委任などが増えて複雑となった。
また、例えば、旧商法では「新株発行」「自己株式の処分」、会社法では「募集株式の発行等」という概念とは違い、金融商品取引法では「売出し」などの独自の概念が用いられている。
もっとも、本書を読むと、概念の定義、制度趣旨が平易に丁寧に書かれているため、テクニカルタームをまずは覚え、制度趣旨から考えて、金融商品取引法の規制からすると、こうなるはずと考えながら読むと、理解しやすいと思われる。名称が似ているが、類似の別の概念・用語は、定義にさかのぼれば区別できるし、それぞれの要件・効果も確認しておくとよい。
ただし、金融商品取引法は毎年改正されている。平成24年改正までフォローしている本書刊行後、平成25年にも、金融商品取引法の改正がされているので、留意が必要である。
(気がついた点)
・83頁、「(損害因果関係)」と記載があるが、「(損害、因果関係)」または、「(損害と因果関係)」の誤記であろう。
・150頁、おそらくモリテックス事件であろうが、「近時の裁判例」として、出典が示されていなかった。法律の本では、出典を示すべきである。


清原 健ほか『Q&A 金融商品取引法制の要点』新日本法規 平成19年
本文417頁。巻末付録として、用語集が付いているので便利である。
1日で読み終えました。
旧・証券取引法から金融商品取引法に変わった際の制度趣旨が詳しく書かれている。
ただし、金融商品取引法は毎年改正されているので、本文・用語集ともに、その後の改正を補う必要がある。


大崎貞和『解説 金融商品取引法(第3版)』弘文堂 平成19年
上記書籍のうち、以下の部分を読みました。
金融商品取引法の適用対象


田中信之『基礎から学ぶ不動産実務と金融商品取引法』(2008年初版、2011年初版第2刷)
同書では、不動産証券化と金融商品取引法との関係について、ビジネス面でのスキーム説明が分かりやすく説明されている。本文は200頁弱であり、図表も多いので、1日で読める。
同書では、金融商品取引法の厳しい規制を受けない「2層ファンド」が詳しく説明されている。同スキームのデメリットとして、①複雑な仕組みになっているため、財務内容などが部外者にはわかりにくい、②親ファンドと子ファンドに二重に費用・手数料がかかる、メリットとして、①分散投資をしやすい、②倒産隔離がしやすい、③関係業者が二重に手数料を稼げる、といった点が挙げられよう。しかし、例えば、J-REITでは既に倒産した例があるから、倒産隔離は決定的なメリットではない。また、ある投資ファンドでは、多額の損失を出した事例もある(新聞報道によれば、村上ファンド、AIG投資顧問など)。結局、大口の適格機関投資家、特定の超富裕投資家を除けば、「2層ファンド」を用いる必要性はなさそうである。もっとも、憶測ではあるが、著者にしてみれば、そのような超富裕層を対象にしていると反論されそうだが。
同書148頁に、中間法人法による有限責任中間法人を用いるスキームがあるとの記述がある。しかし、これは明らかな誤りである。中間法人法による有限責任中間法人は、かって存在したが、平成20年に「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が施行され、中間法人法は廃止されている。したがって、現在は、有限責任中間法人を使ったスキームは存在しない(神田秀樹ほか『金融法講義』(2013年)494頁)。
その他、金融商品取引法は毎年改正されているので、2008年初版の同書では、ビジネス的な考えはともかく、法的な面での正確性について、不安が残った。