商品の名称変更は、開業している経営者にとってたいへんな負担です。商品表示のための印刷物や看板を書き換える必要があります。お客さんによっては、マス弁ではイメージが悪くなったと購入しない人もでてきそうです。しかも、シャケ弁ばかりでなく、その他の食材も名称変更がでてくる可能性があります。
何でこんな事態になったのでしょうか。元々は、有名ホテルや専門店が食材偽装を行っていたことの発表が発端でした。メニューに載せていた芝エビやブランド物ステーキが、実際には別の種類を使用していたことで、連日マスコミを騒がせる問題になりました。消費者庁は、食材偽装を発表したホテルへ調査に乗り出しています。
その後、偽装を行っていたのは有名ホテルや専門店に限らず、中小店も含めて日本の多くの飲食店で行われていたことが判明。法の下の平等を貫こうとすると、国中のホテル、レストラン、専門店などを調査する必要があります。ここで方向転換して、エビやシャケなど、個々の食材の名称に問題転嫁が図られたようです。
考えてみますと、全ての食材偽装は、料理を提供するホテルや専門店の側から申告したケースばかり。消費者庁が告発したわけではなく、申告に基づいて調査しているだけです。本来、監督官庁が事前に調査を行って、名称に関して問題有りと認めるならば警告するのが行政のあり方です。
被害者であるはずの利用者の側から、クレームが寄せられた問題ではありません。話の経緯に関係なく出てきた消費者庁が、いきなり名称がおかしいと言い出すのは、自分たちの責任を覆い隠すためのカモフラージュです。何でこんな問題で消費者庁は騒ぎを煽るのか、こちらのほうが大きな問題です。
消費者の側から言いますと、大事なことは安全であること、美味しいこと、そのうえ価格がリーズナブルであることです。シャケ弁であっても、消費者庁は問題かも知れませんが、買う側にはまったく問題のない話。自分たちのサボタージュを、名称問題で誤魔化さないで欲しいものです。
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