新人店長は「あきらめて」はいけない

「店長、もう無理です！あと20分で目標売上はどうやっても無理です！」
「何言ってるの！まだ20分もあるのよ！閉店まであきらめちゃあダメよ！今日目標を達成したら、今月も前年をクリアーするの！やるのよ！！」
「わかりました！やります！がんばります！！」

店長の目標達成への熱い想いが通じたのか、このスタッフは、先ほどまでの２倍の元気で呼び込みを始めました。でも、こんな熱い店長でも、実は、ほんの数ヶ月前までは、目標ミーティングの時にはいつも「そんなの無理ですよ～だって、今年は去年と違って競合店が出来ているんですよ。売上下がるのは当たり前じゃあないですか・・・」と、開口一番言い訳から始まっていたのです。いつもそんな感じなので、目標売上も未達が続いていたのです。そんな店長が、今やこのチェーン店で一番の前向き店長に変身したのは、ある女子高生バイトのひと言に目が覚めたからでした。

その日は、夕方からあいにくの雨。売上は雨が降り出してからガクンと落ちてしまっていました。閉店まであと1時間。

「あああ～。今日はもうダメね。夕方から全然売れなかったわね。まあ、雨だからね。こんな日はさっさと閉店の準備でも始めるとしますか・・・」

そうつぶやいた店長に、「店長！まだ1時間ありますよね。私、映画館の前でクーポン配りに行っても良いですか？」と女子高校生のバイトスタッフが言ったのでした。

ビックリした店長は、「え？もういいよ。どうせ無理だし・・」と言ったのですが、女子高生スタッフは、「店長！あきらめたらダメです！私、最後の最後までがんばらないと気が済まないんです。だって、あきらめたら格好悪いじゃあないですか！」

店長は、金槌で頭を叩かれたような衝撃を受けました。15歳の女子高生が、こんなに一生懸命がんばろうとしているのに、自分はなんて情けないんだ、恥ずかしい・・・大いに反省した彼女は、その日から絶対に最後まであきらめない！と決心したのでした。

さて、場面は冒頭に戻ります。この日の営業時間も残り20分。目標まではあとわずか、でもレストランフロアーに人影はほとんどありません。そんな時、呼び込みをしていたスタッフの背後からお客様の声がしました。

「すみませ～ん、今からでも大丈夫ですか？10人なんですけど・・・」
「は、はい！！もちろんです！いらっしゃいませ！・・・・お客様10名様ご案内いたしまああす！」

前向きにあきらめずにがんばれば、いいことって転がり込んでくるんですよね。
もしも、あきらめて誰も店頭に出ていなかったら、10名の団体さんの方であきらめて店の前を素通りしていたかも知れませんものね。

もちろん、いくらがんばっても、目標に到達しないときもあります。
しかし、最後まであきらめなかったら、最後の最後で良い結果が転がり込んでくるときもあるのです。
しかし、最後までがんばらずにその手前であきらめたときは、そんな事は起きません。
それに、あきらめなかったら、たとえ未達であったとしても明日に気持ちが続きますからね。

あきらめるかあきらめないかは、店長であるあなた次第ですよね！