「何を不満そうな顔をしてるんだ!反対意見があるんなら言ったらどうだ!」
店長会議での出来事です。ある店長の表情を見て、部長は思わず声を荒げて怒鳴ったのです。会議室内は、氷を張り詰めたような緊張感に包まれました。
「いえ、何もありません・・・」と言って、その店長はずっと下を向いていました。
そして会議は、暗いムードを引きずったまま終わりました。会議終了後、私はこの店長に声をかけました。それは、実は私も彼の表情が気になっていたからです。部長が店長に対して叱咤していた時に、確かに「もの凄く不満がありそうな顔」をしていたように見えたからです。でも、その店長は、元々そう言うことを表情に出すような性格ではありません。どちらかというと、気弱な性格です。でも、私もその時の彼の表情を見て「あれ?ふてくされているのかな?」と思ったのです。ちなみに、私も当時店長でした。古いお話しです。
「Aさん、さっきは大変だったね。でも、僕にも部長が怒ったのと同じように、なんだか不満そうな表情に見えたよ。あの時の部長の話が気にくわなかったの?」
「全然そんなことはありません。確かに厳しいお話しでしたが、自分達は出来ていなかったので、言われることは仕方が無いな、と思って・・・どちらかというと『申し訳ない』と言う気持ちで聴いていたんです。でも、あんな風に言われてしまって・・・・」
彼は、業績が悪かったことでガミガミ言っていた部長の話に対して「申し訳ない・・・」と言う気持ちで聴いていたのでした。しかし、その時の表情は、部長には「不満が満ちあふれてふてくされた表情」に見えてしまったようなのです。
よく「表情は正直だ。心の本音は顔に出る。」などと言われます。もちろん、先ほどの店長の「申し訳ない」という気持ちが正直なのかどうかは私にもわかりません。でも、怒鳴られてからしょげていた彼の表情は、明らかにショックを受けていた表情です。不満があったのならば、もっと違った表情をしたでしょうし、その後もふてくされていたでしょう。確かに彼は「不満」ではなく「申し訳ない」と思っていたのです。
恐いと思いませんか?でも、あなたの表情も同じです。あなたと会話しているひとは、あなたの気持ちを表情から読み取ろうとします。ところが、相手は、あなたの想いとは全く逆のことを感じてしまうことがあるかも知れないのです。特に、あなたのことをよく知らない人にとっては、表情は大きな判断基準となるのです。
パート・アルバイトに対しても同じです。あなたの気持ちを表情で読もうとしている彼らに対して、あなたは表情で「正確に」気持ちを表していますか?あなたが愛情込めて、真剣な表情で伝えていても、「店長は機嫌が悪い」と思われているかも知れないんですよ。恐ろしい誤解ですよね。
確かに気持ちは表情に出るのかも知れません。本音も表情に出ているのかも知れません。しかし、相手がそれを正しく読み取ってくれるわけではないことを忘れてはいけません。相手は、表情を読み取るプロではないのですからね。
「キレてる?」
「キレてないッスよ~」
表情から得られる情報は、「全て」ではありません。たくさんの情報を手に入れてから、判断をしていきましょう!
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