- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
高校留学についてお問い合わせをいただきました。
年間何件もの方から相談を受ける内容です。
よ~く自分のことを分析し、一生の悔いにならないような選択をしてください。
参考になればと、いろんな視点から回答してみます。
私は現在高校一年生の者です。
海外に関して本当に興味があり、もっともっと自分の知らない世界を見たいと思っています。今通っている高校は進学校と言われるのにもかかわらず、授業中もスマホをいじっていて、将来の夢や、社会に対してあまりに無関心です。このままここにいつづけていいものか?と最近、心底悩んでいます。また、なんとなく大学に行って日本の企業に何となく行く、とかそういうことは自分のしたいことじゃないです。
それなら海外の高校に行って、スキルをつけるための専門学校に進学し、就職するほうが自分に合うと思っています。
だけど高校留学はデメリットの方が多いと聞きます。
実際にこのような動機で行っても成功しないでしょうか?
まず、過去にいただいたご相談への回答を読んでみて下さい。
ちょっと溜息が出ますね。
そうなんです、高校留学は非常に難しいです。
よほど条件が整わないとお勧め出来ない選択しです。
お尋ねの内容を考えると、英語圏での勉強への準備をしながら今の高校を卒業し、そのあと自分の能力に合わせ英語圏の教育機関を決めることがベストだと思います。
特に、まったく基礎知識も準備も、現地での信頼できるコネクションもなく、「日本の学校が嫌だから、日本の教育制度はおかしいから留学したい!」はほぼ100%に近い確率で惨憺たる結果となります。
(Sorry! 20年の経験から言える事実です・・・)
なぜでしょうね。
高校留学を「うまくいかなかった日本」からの逃避に使おうとするからです。
「うまくいかない」のには、必ず自分にも責任があるはずです。
日本の教育制度が時代遅れで、子供の能力を奪ってしまうものであることも理解しています。
しかし、今自分がその中にいる以上は、そこで出来るだけのことを達成することが必要ですね。
それも出来ずに、「教育制度が悪い。」「先生が悪い。」「だから自分はうまくいかなかった。」
と、思っているなら大間違い。
自分のやる気のなさは、環境のせいではなく、自分の性格だとまず認識し、それを直すことが必要ですね。、
母国語が通じ、親もおり、友達もいるこの自国の環境ででも、何かを達成出来ない状態で、まったく環境の異なる外国に行くことは、「よたよた歩く3歳児を、車がぶ~んぶ~ん行きかう交通量の激しい高速道路に置き去りにする」よりも危険だと思います。
悪いところが必ず助長され、もっとひどい形で表面に出てきます。
環境を考え直したあとは、「高校留学」の定義を考えて下さい。
「高校留学」とは、「英語圏の学校で英語で勉強する」という定義です。
つまり、英語圏で生まれ育った、英語を母国語とする同年代の子供と同等の英語力、常識が必要だということです。
そこで初めて、同じクラスで席を並べて勉強出来ます。
そこを明確に認識することから、「高校留学」が果たして自分に可能なことなのかを考えて下さい。
確認点:
1) 今までに英語圏の教育制度に合わせた準備をして来ましたか?
2) クリティカルシンキングの基本は身についていますか?
3) Reading は大体英語圏の中学生レベル、writing はまとまったopinion essay が正確に書けますか?
(*日本の学校で教えている英語では間に合いませんよ。 日本人向けのテスト、英検・TOEIC のレベルなどもまったく役に立ちませんよ。)
その次に認識が必要なことは、「まだ大人の助けが大きく必要な年齢」にも関わらず、親もとを離れる」事実です。
確かに、ホストファミリーや、指定後見人などが現地には存在します。
しかし、同じ日本の常識を共有し、親のようにあなたを守ってくれる大人はいませんよ。
ホストファミリーとは、金銭的に契約を結んだ同居人としての付き合い方を覚える必要があります。
ひとりの独立した人間として精神的に自立出来る能力が必要です。
15歳程度には、かなり難しいことですが、留学を選択するなら必須の能力です。
「高校留学」をなぜか希望する親も問題です。
学校などでの子供の問題にいちいち口を出し、「悪いのはうちの子ではなく、環境だ。」と勘違いしている親。
これが高校留学への大きな弊害となります。
英語圏の異なる環境を理解し得ないまま、自分の子供の留学がうまくいかないことを、周りのせいにします。
その親の態度に助長された子供は、努力をまったく止め、すべてを周りのせいにする根本的な問題点を抱えたまま大人になる可能性が高いですね。
ふぅ~、道のりはるかですね。
ふたつ目の相談点、英語圏の学校卒業後の就職について:
これも以前に回答していますので、お読みください。
海外の大学に行き海外で就職するには
外国で能力・スキルを高く評価されるようになるためには、今後かなりの努力と経験を積み重ねることが大切だとおわかりいただけましたか。
自分にはどの方法が取れるのか、よく客観的に分析し、準備を始めることからスタートして下さい。
まだ十分時間がありますよ。
これからの長い長い人生、自分を大きく開花させられるといいですね。
Good Luck!
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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