保険販売、再委託の禁止に関わる誤解 - 各種の保険設計・保険見直し - 専門家プロファイル

渡辺 博士
ワタナベマネークリニック ファイナンシャルプランナー
神奈川県
ファイナンシャルプランナー

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対象:保険設計・保険見直し

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保険販売、再委託の禁止に関わる誤解

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ファイナンシャルプランナー渡辺のひとりごと

 1月10日金融庁は大手保険代理店の代表者の不祥事件をきっかけに、全ての保険代理店に対して規制を強化しようとしている。連休明けから各保険会社等にヒアリングを行うことで方向性を見極めたい様子である。

 この話題は少し前からくすぶっていた経緯があるものの、ある大手保険代理店代表者の不祥事が引き金をひいた恰好となってしまった。しかし、現在の内容を見てみると、「委託型募集人」となる雇用契約のない業務委託契約の募集人が一方的に悪いような内容にも見えるが、これは民法上問題のない契約形態であり、この形態の募集人には否はない。一部大手保険代理店の委託型募集人に、あたかも自分自身が代理店であるかのように顧客に誤認せしめるような募集の仕方を行っており、それを容認する大手保険代理店に問題があると思われる。

 この大手保険代理店の教育実態や営業実態にメスを入れるべきを、全体を一度にバッサリやるのは本末転倒といえる。なぜなら他の保険代理店には、全く募集活動に支障をきたしていないと思えるからだ。むしろ雇用契約か業務委託契約かは、顧客側からすれば関係ないことであり、それより顧客側に自分自身の財産などの利用の仕方などの教育を受ける機会を正式な形で与えようとせず、旧来の考え方である、人の財産には触らないといった考え方に固執してきた経緯がある。だから保険代理店という保険商品の売り手に、顧客情報に触れる機会を多く与えていることに無理が生じている。その辺の現場が金融庁には分かってない。

そもそも、金融ビックバンの頃に損害保険業界から湧き上がった業務委託契約型の募集人を認めてきたことが、変容したような考え方を言っているようだが、もっと以前のバブルの80年代後半から、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)という資格者がでてきたのにも関わらず、金融の営業マン=FPとして扱ってきたことがすべての間違いの始まりであった。FPは営業活動などはしない。FPは税理士や弁護士などと同じコンサルを行う立場であり、保険商品を扱うことはあっても自ら保険商品を販売するための営業活動は行わないのに、金融機関、特に保険会社や保険代理店がFP資格を取得し、それを営業活動に利用されてきたことに対して意見を述べなかった。そういった意味では、日本FP協会や金融財政事情研究会なども不味かった。資格だけ取らせて倫理規定に違反していてもそのまま放置していたのだから。でも全体的にはFP資格を利用して営業活動をしてはならないと、これら業界に対して行政側から強くアピールしないといけない立場が金融庁だと思う。役人はおそらく民間の話題として取り扱わないのだと思うが、それでは堂々巡りとなってしまう。

金融庁は、今こそFPをしっかりとした金融のプロとして認めて顧客に指導を行うよう、日本FP協会などに対して指導を行うと同時に、一部大手保険代理店のみを処罰の対象とするように方針を変えるか、又は委託型募集人をむしろ保護するような対策を取るように方針を変更することが、全ての金融機関や保険代理店、FPなどへの信頼を勝ち取ることができるように繋がると思う。今のまま規制をかけても、誰のメリットもない金融庁だけの自己満足に終わることになることは明白である。

顧客の保護を言うのであれば、委託型募集人をターゲットにしても解決にはならず、いかに顧客が自分自身のこととして考えてもらえるようにできるかを金融庁が先頭にたって、各方面へ働きかけができるかが問われている。

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