- 森岡 篤
- 有限会社パルティータ 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
セメントは石灰を原料として、そのアルカリ性の性質で鉄筋を錆から守りながら、鉄筋コンクリートを構成しているのですが、空気中の二酸化炭素や酸性雨のため、表面から徐々にアルカリ性は抜け(中性化という)鉄筋を守れなくなり寿命となります。
(中性化で、コンクリート強度自体がすぐに落ちるわけではありません)
コンクリートは、堅牢で長持ちするイメージですが、寿命は条件が良くて100年程度と、意外と、耐久性維持が難しいのです。
木材といっても、仏閣で使われている選りすぐりの巨大な断面の木材と、住宅で使われているものを、ひとくくりにすることはできませんが、材料自体は、腐り、白アリ等の害を防げば、100年以上の耐久性があります。
「腐り、白アリの害を防ぐ」には、設計、施工、建て主、各々の役割が欠かせません。
被害に遭わない適切な材料の選定、湿気のこもらない納まりなどの設計はもちろん、それらを実現し、雨や湿気を溜めない施工が必要です。
さらに建て主が、浴室換気を心がけたり、家に気を配り手入れをすることで、弱点を克服することができます。
材料自体の耐久性を生かした木造住宅が可能となります。