商標法26条1項1号の「自己の名称」、小僧寿司事件 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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東京都
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閲覧数順 2016年12月04日更新

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商標法26条1項1号の「自己の名称」、小僧寿司事件

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相続

商標法26条1項1号の「自己の名称」

 最判平成9・3・11、『商標・意匠・不正競争判例百選』17事件、37事件、小僧寿し事件

一 フランチャイズ契約により結合し全体として組織化された企業グループ(フランチャイズチェーン)の名称は、登録商標の効力のおよばない旨を定めた商標法26条1項1号にいう「自己の名称」に当たる。
二 「小僧寿し」が著名なフランチャイズチェーンの略称として需要者の間で広く認識されている場合において、右フランチャイズチェーンにより使用されている「小僧寿し」、「KOZO ZUSHI」等の文字標章は、標章全体としてのみ称呼、観念を生じ、「小僧」又は「KOZO」の部分から出所の識別表示としての称呼、観念を生じないものであって、「小僧」なる登録商標と類似しない。

三 著名なフランチャイズチェーンによりその名称又は略称である「小僧寿しチェーン」又は「小僧寿し」と共に継続して使用されている「(図形標章は判決文末尾添付)」等の図形標章は、「コゾウズシ」又は「コゾウスシ」の称呼を生ずる余地があるとしても、「小僧」なる登録商標との間で商品の出所混同を生ずるおそれがなく、右登録商標と類似しない。
四 商標権者からの旧商標法38条2項(注、現行商標法38条3項)に基づく損害賠償請求に対して、侵害者は、損害の発生があり得ないことを抗弁として主張立証して、損害賠償責任を免れることができる。

(参照条文)

商標法2611号,商標法(平成3年改正前)37条,商標法382

(商標権の効力が及ばない範囲)

商標法第26条1項  商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となっているものを含む。)には、及ばない。

  自己の肖像・自己の氏名・名称・著名な雅号、芸名・筆名・これらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標

  前項第1号の規定は、商標権の設定の登録があった後、不正競争の目的で、自己の肖像又は自己の氏名・名称・著名な雅号、芸名・筆名・これらの著名な略称を用いた場合は、適用しない。

(損害の額の推定等)

商標法第38条  商標権者・専用使用権者が故意・過失により自己の商標権・専用使用権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為を組成した商品を譲渡したときは、その譲渡した商品の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に、商標権者・専用使用権者がその侵害の行為がなければ販売することができた商品の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、商標権者・専用使用権者の使用の能力に応じた額を超えない限度において、商標権者・専用使用権者が受けた損害の額とすることができる。ただし、譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を商標権者・専用使用権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする。

  商標権者・専用使用権者が故意・過失により自己の商標権・専用使用権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、侵害者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、商標権者・専用使用権者が受けた損害の額と推定する。

  商標権者・専用使用権者は、故意・過失により自己の商標権・専用使用権を侵害した者に対し、その登録商標の使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。

  前項の規定は、同項に規定する金額を超える損害の賠償の請求を妨げない。この場合において、商標権・専用使用権を侵害した者に故意又は重大な過失がなかったときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。