「いやあ~彼女にはまだ無理でしょう。だって、まだ高校生だしね~」
このチェーン店は、毎年、子供向けのキャラクターショーを店舗横の広場を使って実施していました。今年もそろそろその企画の準備をし始める時期となりました。店長とエリアマネジャーは、今年の担当者を誰にするかを検討していました。店長の意見は、フロアーリーダーを務める高校生Aさん。しかし、マネジャーは、彼女は高校生だからまだ無理、と言う意見でした。
こう言う判断ってよくありますよね。「まだ若いから」「まだ経験が浅いから」「アルバイトだから」・・・・確かに、若いとか経験が浅いとかバイトだとかは、「信頼」の判断基準としてよく使われます。しかし、それって本当に「信頼を得るに足りない」基準なのでしょうか?と言うか、そう言う基準で判断しているからひとが育たないのです!
「出来るか出来ないか」と言う判断をするときに、年齢や経験や立場で判断するのは、あまりにも底の浅い判断基準です。世の中には、15歳で会社経営をする人もいます。高校生でも、文化祭などをプロデュースし成功に導くリーダーもいます。アルバイトでも店長という役割をしっかり果たしている人もいます。今回のような仕事の経験そのものはなくても、普段のリーダーシップや生活の中で培った感性を活かせば充分に達成可能な「経験」という条件が揃っていることもあるのです。それを「年齢」「経験」「立場」などで判断してしまうのは、明らかに判断する側に「情報収集能力」が欠けていると言うことなのです。
普段からそのひとがどの様な判断をしているか、どの様な行動をしているか、どんな時にどんな発言をしているか、それらをよく観ておけば、年齢、経験、立場以外のデータがどんどん溜まってきます。チェーン店においては、その役目を果たすべき立場は「店長」です。なのでエリアマネジャーは、店長に普段からスタッフ達の「判断基準」「行動基準」をよく観察させるようにしなければなりません。
ところが、チェーン店でよくあるのは、普段から全く見ていないにもかかわらず「判断」をしてしまう本社の管理職がいると言うことなのです。見られるはずがないにもかかわらず、担当店舗の細部を把握していないことが「恥ずかしい」ので、知ったかぶりをしてしまいます。
もうひとつ勘違いしがちなのが、「ひとを育てる」という意識の欠如です。何かのイベントをするときに自分が楽をしたいから出来る人を担当者にしようとするのは、「未経験者に経験を積ませて成長させよう」という意識が低いとも言えるのです。だって、未経験者に任せると言うことは、自分もフォローアップに時間と神経を使わないといけませんからね。
また、このような判断で最も残念なのは「パート・アルバイト」だから、「契約社員」だから、と言う立場で判断を下されると言うことです。よく「パート・アルバイトは無責任だから、仕事は任せない」と言う意見を耳にしますが、無責任にさせているのは、「責任ある仕事を任せていない」からというのが原因なのです。立場が先か?責任が先か?と言う言い方も出来ますが、「ひとを育てる」と言うことに関して、最初に「成果や責任」が来るはずはありません。もちろん、誰に任せようとも「店長の責任」がなくなることはありません。
さて、冒頭のイベントでの責任者ですが、結局店長の押しが強く、この女子高校生のバイトリーダーが担当することになりました。店長が、普段から彼女の仕事ぶりを見て、自信を持ってこの仕事を任せました。彼女は店長の期待に応えました。イベントに関するオーナーや近所との交渉、安全対策、暑さ対策などもスタッフのアイデアをまとめて実行しました。集客についても、積極的に活動し、結果、当日は過去にない盛況となったのでした。
パート・アルバイトを子供扱いするのは、あなたの心に、このスタッフをもっと成長させたいという意識が欠けているからです。店長はスタッフの成長でしか本当の成果を得ることは出来ません。彼ら、彼女らを一人前に大人扱いし、責任ある仕事を任せていきましょう。そうすれば、年齢や経験や立場に関係なく、彼ら、彼女らはあなたの期待に応えてくれますよ!
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