ブログ2013年12月-4 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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対象:民事家事・生活トラブル

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ブログ2013年12月-4

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ブログ2013年12月

今月(2013年12月)は、商標法、独占禁止法、借地借家法、著作権法、労働法、金融商品取引法、金融法、不動産に関する行政法、宅地建物取引業法、環境法、税法、社会保障法、医事法、薬事法、行政手続法、行政機関情報公開法、行政機関個人情報保護法、行政法、地方自治法、旅館業法、道路交通法、道路運送法、食品衛生法などに関するテーマを中心に、以下のコラムを作りamebro(アメーバ・ブログ)とAllAbout(オールアバウト)に掲載しました。

商標法

小谷武『新・商標法教室』(2013年)

商標法の考え方に即して、裁判例・審決例・実例をもとに、商標法を解説する平易なテキストである。ただし、旧著の改訂版のようで、法改正前の裁判例・審決例も多く取り上げられており、旧法に関する説明が長い箇所も見受けられる。約450頁の本だが、コンパクトにまとめれば、実質2/3くらいの分量になるのではなかろうか。

商標法に関する平易でありながら法的な考え方を披露してくれる本格的な解説書が少ない中、推奨されるべき本である。

無効理由のある商標権

特許権に無効理由があるなど、特許権の行使が権利濫用である場合には、権利濫用の抗弁で対抗できる( 最判平成12・6・11、キルビー特許事件)。

2004年改正で、特許法104条の3が新設され、商標法39条で準用している。

したがって、無効理由のある商標権については、商標法39条・特許法104条の3で対抗できる。

ただし、商標権登録無効審判には5年間の除斥期間がある(商標法46条1項)。

条文上では「無効審判によって無効と判断されるべきもの」と規定している。

商標権に無効理由があっても、上記の除斥期間を過ぎた場合には、その間に商標に信用が化体することもあり、無効理由が治癒されたとみられる。

したがって、除斥期間経過後は、商標法39条では対抗できない。

もっとも、事実関係からみて、商標権の権利行使が濫用に該当する場合には、権利濫用の抗弁を認めるべきである(小谷武『新・商標法教室』430~431頁)。

独占禁止法

岸井・向田・和田・内田・稗貫『経済法 独占禁止法と競争政策』有斐閣アルマSpecialized2013年・第7版)

今日までに、上記書籍のうち、不公正な取引方法を読みました。

2009年に独禁法が改正され、不公正な取引方法のうち以下の5類型が法定化され(独禁法2条9項1号~5号)、課徴金の対象となった。

・共同の取引拒絶(1号)

・差別対価継続的供給(2号)

・不当廉売(3号)

・再販売価格拘束(4号)

・優越的地位の濫用(5号)

借地借家法

澤野順彦『判例にみる借地借家の用法違反・賃借権の無断譲渡転貸』(新日本法規、平成24年)

 著者は、不動産取引に関して著名な弁護士・不動産鑑定士・法科大学院教授である。

借家のペット飼育禁止特約に違反している場合、賃貸借契約を解除できるかについて、肯定すべきである。

内田勝一・山崎敏彦『借地・借家の裁判例(第3版)』(2010年、有斐閣)

借地借家法に関する裁判例を比較的網羅している。

内田教授が居住権などの研究業績があるせいか、賃借人寄りの論述の立場であり、裁判例の取捨選択・解説にもそれが反映しているのが、若干気になった。この点は、澤野・前掲書と比較すると、明らかである。

近藤光男『基礎から学べる金融商品取引法(第2版)』

約2日で読み終えました。

証券取引法が金融商品取引法と名称が改正され、金融商品取引法の適用される対象が金融商品一般となった。その意味では、金融商品取引法は金融商品の一般法となったといっても過言ではない。それに伴い、概念定義が抽象度を増し、条文の数も増え、準用条文や政令委任などが増えて複雑となった。

また、例えば、会社法では「募集株式の発行等」という概念とは違い、金融商品取引法では「売出し」などの独自の概念が用いられている。

もっとも、本書を読むと、概念の定義、制度趣旨が平易に丁寧に書かれているため、テクニカルタームをまずは覚え、制度趣旨から考えて、金融商品取引法の規制からすると、こうなるはずと考えながら読むと、理解しやすいと思われる。

名称が似ているが、類似の別の概念・用語は、定義にさかのぼれば区別できるし、それぞれの要件・効果も確認しておくとよい。

ただし、金融商品取引法は毎年改正されている。平成24年改正までフォローしている本書刊行後、平成25年にも、金融商品取引法の改正がされているので、留意が必要である。

金融法

神田秀樹ほか『金融法講義』(岩波書店)

東京大学での金融法の講義を再現したという、ある意味、決定版といえる本である。

ただし、金融商品取引法については、網羅的に解説されていない。

今日は、上記書籍のうち、コラムを拾い読みをした。

論述の基調は、やや金融機関(特に都市銀行)寄りではないかと思われる。

解説のレベルは客観的であり、おおむね高いといえる。

第1章 金融法概観

金融取引に関する特別法、銀行法などの概説

Ⅰ 伝統的銀行取引

第2章 受信取引法―預金など

第3章 与信取引法1-貸出し

第4章 与信取引法2-債権管理・債権回収

Ⅱ 現代型金融取引

第5章 シンジケート・ローン

第6章 デリバティブ

第7章 資産運用

第8章 社債

第9章 LBO・MBO

第10章  証券化