近藤光男『基礎から学べる金融商品取引法(第2版)』補足 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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東京都
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鈴木 祥平
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閲覧数順 2017年10月17日更新

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近藤光男『基礎から学べる金融商品取引法(第2版)』補足

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基礎から学べる金融商品取引法 第2版/弘文堂
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近藤光男『基礎から学べる金融商品取引法(第2版)』

 今日は、約2日で約210頁ある上記書籍を全部読み終えました。私が短期集中で読めたのは予備知識があったからですが、集中力のある方ならば、1日で読めると思います。

近藤教授は、証券取引法が改正されて金融商品取引法という名称に代わる前から、『証券取引法読本』という概説書を出されていた権威である。

証券取引法については、例えば、野村証券が東京大学に同法の寄付講座を設けてもらったり、法律や定義の名称、適用される対象が証券会社であったりして、証券会社の特別法という印象が強かった。

私は、社会人向けコースの筑波大学院の法学修士課程(企業法学専攻)で証券取引法の講義(2単位)を受けて、教材として指定された近藤教授の『証券取引法読本』で、はじめて証券取引法を勉強した。その頃は、インサイダー取引に関する刑事事件を除けば、裁判例も少なかった。

しかし、証券取引法が金融商品取引法と名称が改正され、金融商品取引法の適用される対象が金融商品一般となった。その意味では、金融商品取引法は金融商品の一般法となったといっても過言ではない。それに伴い、概念定義が抽象度を増し、条文の数も増え、準用条文や政令委任などが増えて複雑となった。

また、例えば、旧商法では「新株発行」「自己株式の処分」、会社法では「募集株式の発行等」という概念とは違い、金融商品取引法では「売出し」などの独自の概念が用いられている。

もっとも、本書を読むと、概念の定義、制度趣旨が平易に丁寧に書かれているため、テクニカルタームをまずは覚え、制度趣旨から考えて、金融商品取引法の規制からすると、こうなるはずと考えながら読むと、理解しやすいと思われる。

ただし、金融商品取引法は毎年改正されている。平成24年改正までフォローしている本書刊行後、平成25年にも、金融商品取引法の改正がされているので、留意が必要である。

(気がついた点)

・83頁、「(損害因果関係)」と記載があるが、「(損害、因果関係)」または、「(損害と因果関係)」の誤記であろう。

・150頁、おそらくモリテックス事件であろうが、「近時の裁判例」として、出典が示されていなかった。法律の本では、出典を示すべきである。

金融商品取引法は法科大学院でも開講している学校も少なく、2~4単位が多いとされている。

ただし、金融商品取引法は上場企業にとって必須であり、今後の裁判例の展開も見込まれる。

なお、金融商品取引法は公認会計士試験の必須科目であり、金融商品取引法の一部は不動産鑑定士試験の択一式試験の科目にも含まれている。