非難される側と追及する側の溝 - 広報・PR・IR全般 - 専門家プロファイル

中村 英俊
株式会社第一広報パートナーズ 代表取締役 広報コンサルタント
東京都
広報コンサルタント

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閲覧数順 2016年12月06日更新

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非難される側と追及する側の溝

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猪瀬直樹氏が東京都知事を辞任することを12月19日午前に行われた会見で発表しました。就任からわずか1年余りの異例の事態です。12月20日の朝日新聞「天声人語」には、「1幕目では、問題は認めるが小さく見せようとする。2幕目で火消しの言い逃れを連発。そのために3幕で傷口をいっそう広げ、終幕で進退きわまり、降参。」と問題発覚から辞任に至るまでの経緯について、的を射た解説をしています。
2013年は企業の不祥事が多い年でした。化粧品メーカーの白斑問題、製薬メーカーの治療薬に関連した論文不正問題、大手都銀の暴力団融資問題、運送会社が扱う荷物のずさんな温度管理、そしてホテルチェーンに端を発した食材の偽装問題など、利用者の信用を著しく損なう不祥事が相次いで発覚しました。
今回の猪瀬氏の辞任と一連の企業の不祥事で感じるのは、どのケースも結果として冒頭の「天声人語」に近い展開になったということです。以前書いたコラム(「不祥事における経営トップの説明責任」11月20日付)でも指摘しましたが、10月下旬に発覚したホテルチェーンのケースでは、1幕目では、部長クラスが状況説明をしますが、記者の納得を得られるはずもありません。2幕目で社長が会見を行い、「従業員の知識不足などが原因による誤表示だ」と説明、再発防止策と社内処分を発表しましたが、言い逃れと映り、記者の不信感を募らせる結果となりました。
そして3幕目では高級レストランでの食事を楽しみにしていた利用者を欺く「食材偽装」だとして、非難の声が高まり、社長の辞任という形で終幕を迎えました。その後も消費者庁による立ち入り検査が行われ、再発防止の措置命令が12月19日に出されるなど、最近まで混乱が続きました。
 ホテルチェーンは一貫して「誤表示」と説明しましたが、マスコミ側は「偽装」ではないかと反発し、報道もそのようにされています。猪瀬氏のケースでも「個人的な借り入れ」との本人の主張に対し、マスコミ側は「選挙資金」ではないかと疑念を抱き、それを払しょくできないまま、辞任に至りました。結局、非難される側と追及する側の認識の溝は最後まで埋まることはありませんでした。
 物の見方や考え方は立場によって異なるものですが、マスコミは権力や企業のチェック機能を有しており、その認識は社会の思いを代弁するものでもあります。与える影響を鑑みて、「マスコミ側の認識に安易に乗るのは得策ではない」と考えるのも、無理からぬところです。しかし、反省の姿勢が見えないと映ってしまった結果、窮地の度合いを深めることになることをこれらの事例が示しています。
大切なのは、「問題は認めるが小さく見せようとする」のではなく、初動の段階でどのように説明すれば、マスコミ(世間)の納得が得られるのかということを見極める力が求められていることを改めて強く感じました。

橋本拓志広報コンサルタントTwitter ID:@yhkHashimoto https://twitter.com/yhkHashimoto

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