- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
富士市のティンバーフレームの現場にて、外壁の左官工事をした際の風景をご紹介します。
アラシと呼ぶ杉板の下地に、黒い防水紙を貼り、それにラス網と呼ぶ金網を留めて行きます。
このアラシは、前回ご紹介した様に、桧の桟によって空気層の上に取り付けられています。
コーナー部分は写真の様に金網を折り曲げます。
金網は90cm×180cmですが、「リャンコ」とか「ちどり」と言って、ジョイントをずらしながら貼って行きます。
ジョイントをずらすのは、モルタルのひび割れを防ぐ工夫で、公庫の仕様書にも書いてあるんですが、実際にこのジョイントをずらして貼ると言うだけの工夫がされていないのが多いですね。
ちょっとの手間を惜しんじゃいけません。
ところで余談ですが、なんで左官(なまってシャカン)と言うんでしょう?
諸説有りますが、古く平安時代に、宮中に出入りする際に、無冠だと不都合なので、便宜的に左官となって官位が付いた、というのが定説です。
当時の左官は白袴を履いており、服を汚さない、つまり、それだけ腕が良い、と言う自負がなければ勤まらない職業だったようです。
昔は、外壁・内壁・浴室・台所・玄関等、住宅における左官工事の割合が今とは考えられないほど高く、左官の地位も高かったんですね。
仕事に責任と誇りを持つ。
とても大切な事だと思います。
なお、ティンバーフレームについては、こちらもご覧下さい。