
- 奥村 召司
- 株式会社空間設計社
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
どういう建物を計画しているかでその調査方法も変わるのですが、どの調査を選択するか設計者の判断が分かれることも希ではありません。
代表的な調査の一つがやぐらを組んで(井戸を掘るように)深い孔を掘り進めるボーリング調査。地中の土質が深度毎に確認できるのが大きな特徴です。主に杭を施工する建物の場合に採用しますが、場合によってはある深さの土をサンプリングし、それを研究機関に持ち込み土質試験を行うことで地耐力を算定することも可能です。
写真は最近行ったボーリング調査(+土質試験)の報告書。深さ毎に採取した土質サンプルも一緒に提出されます。(建て主さんにとっては、記念として喜ばれることもあれば、こんなもの要りませんと言われることも・・・まあ、単なる土なのでもっともですが。)
他にも基礎を設置する深さの地盤に実際に大きな荷重をかけて、地盤がどの様な変化を起こすか確認する載荷試験と呼ばれる調査もあります。これは杭を施工しない直接基礎の場合に行いますが、欠点は地中がどの様な土質構成になっているかは分からないこと。また木造住宅の場合には簡易なSS調査(スウェーデン式サウンディング調査)もよく行われていますが、実際に立ち会ってみるとあまりに簡単な試験なので、さてどんなものだろうと感じるのも事実です。(ナニモヤラナイヨリヨイケレド・・)
得られる情報とそれに対する費用を考えて、どの様な地盤調査を採用するか判断することも設計者の力量だと思います。