特定秘密保護法の国会審議の最中、石波自民党幹事長の「デモの絶叫戦術はテロと同じ」発言も、おかしな言動の一つと言えそうです。国会周辺で政府や国会議員に向け声を張り上げるのは、世界中どこの国でも見かける光景です。秘密保護によって、国会周辺のデモ規制されるほうが、国民にとっては大問題です。
石波幹事長は、自分に都合のよい人は味方、反対する人は敵と決め付ける、二分法で判断していることです。これは、安倍首相もまったく同じ思考方法で、自分に反対する人はみんな「左」で切り捨てます。国会でも、左の意見に対しては、まともに話し合おうとする態度さえ見せません。
同族経営の2代目、3代目経営者と、政府自民党の最高幹部2人に共通しているのは、世襲によって今の地位についている点です。石波幹事長は、29歳で父親の選挙区を継いで国会議員に当選しています。安倍首相も、28歳で父親の秘書となり、37歳で国会議員になっています。若い頃から、先生と言われて人生を過ごしてきた人たちです。
選挙で選ばれるわけですから、決して世襲議員が悪いと言いません。ただ、現在の政府自民党幹部の7割近くが世襲で、自力で当選しても幹部になることは、ほとんど期待できない仕組みができていることです。生まれたときに銀のスプーンを咥えた人でないと、政治指導者になれないのが今の日本の現実です。
「岩盤規制を緩和する」と発言している安倍首相ですが、勇ましいのは発言だけ。実態はネットの薬販売のように、小手先の規制緩和もどきで日本を変えると言っているだけ。その代わり、軍国化だけはどんどん進めようとしています。世襲議員の場合、彼らの父親や祖父から、資金も、後援者も、呪縛までも引き継いでいます。
起業を目指す人はこの対極にいます。親から精神を引き継ぐことはあっても、あくまでも本人の意思でリスクをとって起業するからです。この国は、身動きができないほど規制に縛られていますが、その規制を打ち破る力が起業家には必要です。知恵と勇気と、正義感によって、この難局を切り開くしかありません。
【一言】
特定秘密保護法が公になった今年の夏は、あまり関心を呼ばなかった法案ですが、今は反対の声が日に日に高くなっています。石波幹事長がテロ発言をするのも、心理的に相当追い込まれている結果のようです。このような法律は、作るときは悪意がなくても、役人が運用する時点で彼らに都合のよいように解釈されます。そのときは、取り返しのつかないことになっています。
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