目の前に立って試食するお客さんを一目みて、買ってくれるかどうか分かると言っていました。お客さんの靴のつま先の向き、持っている買い物籠の中身、お客さんの集まり方など、一瞬で状況を判断する訓練を、毎日、何度も何度も続けた結果、スーパーやデパートの集客に影響を与えるほど、人気になったと言います。
現代は情報がとても多い時代ですから、目先の利益の上がりそうな新しい情報ばかりを追いかけがちです。一つのモノゴトに、腰を据えてじっくり取り組むことがなくなっています。そのため、身体に染み込むまで何度も、何度も反復練習をする習慣は、ビジネスではほとんど見られなくなりました。
そのために何が起こっているか? ビジネスの軸と言えるものを持っている人が、いなくなったように思います。「何のため」に起業するのか、そこの軸が忘れられているようです。ビジネスの軸さえしっかりしているなら、そのために何をするか、具体的方法に関しては、お客さんニーズに合わせどんどん変わっていいはずです。
逆に、この具体的な方法を自分のビジネスの軸と勘違いしている人さえいます。起業の基本である、ビジネスの反復学習を抜きにして起業したため、宙ぶらりんな起業をしている人が少なくありません。大事なことは、「何のため」に起業をするのか、起業してからも、何度も何度も考え続けてみては。
【一言】
ビジネスにおいて反復学習をするのは、常に経営者は咄嗟の判断を迫られるからです。お客さんに対して、取引先に対して、スタッフに対して、直ぐに答えを出す必要があります。アパレル販売をしている経営者が、「いつもお客さんのことを思っていると、何をどのように売ると喜ばれるか判る」と言っていたのを思い出します。それこそ、ボールが止まって見えるのと同じ境地のように思えます。起業に向けての反復学習
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