怒りをコントロールする方法
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「忙しいというのは、心を失っている状態だ。」
というような話はよく聞きますが、そういう時にこそ、人間本来の姿が現れてくるものです。
例えば、いつもニコニコしていて優しい人がいたとします。
誰からも好かれていて「あの人は良い人だね。」と言われています。
そして、自分も感情をコントロール出来ていると思っています。
ところが、忙しくなった時や体が疲れている時、不満や怒りの感情というものが出てきます。
怒る原因が無い時は落ち着いて優しくしていられるのは当たり前です。
いざという時に対応出来るかどうか…。
それが何よりも大切なことなんですね。
煩悩を消そうと山に入って修行をしたとしましょう。
長い修行を終えて、「自分は立派になった!」と思っても、それが本物であるかどうかは社会に戻ってみないとわかりません。
何故なら修行中は、煩悩となるものが無いから当然なのです。
怒る条件が無い時に怒らないのは当たり前です。
自分のことを批判する人が出てきても、どんなに疲れていたとしても、誰かのせいにしたり、イライラをぶつけたりすることが無くなればいいんです。
すぐに怒る人というのは、実は臆病で自分に自信が無いんです。
受け止める器が小さいから、すぐに器から溢れ出てしまうんですね。
どれだけ雨が降っても地球から宇宙へ水が溢れ出ることはありません。
怒るのは相手が原因ではありません。
自分の器が小さいというだけの問題なんですよね。
「じゃあ、どうしたら怒りの感情を抑えられますか?」
怒りの感情というのは抑えるものではありません。
いくら我慢していても、いつかは爆発してしまうものです。
好きなことを見つけて、どこかでストレス発散させれば良い!というような考えもありますが、それは根本的な解決になっていません。
水が溢れる原因が器の小ささにあるのに、溜まった水を別の器に投げ込んでも周りが迷惑するだけです。
虫刺されの箇所に爪で×印を付けて痒みをごまかす…ということを、小さい頃に良くやっていました。
ですが、結局、余計に痒くなってしまい、掻き潰してしまうんですね。
根本にある痒みというのは消えていません。
また、私が空手をしていた時、足首を捻挫をしたことがありました。
何とかこの足首の痛みが消えないものかと思っていた時、肋骨にヒビを入れてしまい、何をしても痛いような状況になったんです。
その時、確かに足首の痛みは無くなっていたのですが、より酷い痛みが出てきた…というだけのことなんですね。
ストレスが溜まったので何か別のもので発散するというのは、これらの例と同じようなもので、本来の原因を一時的にごまかしているだけです。
発散の仕方によっては、周りに多大な迷惑をかけることもあります。
人間ですから、怒りの感情が出てくることもありますよね。
そんな時、どうしたらいいかというと、怒っている状態の自分を見つめればいいんです。
自分自身を少し外側から見つめる意識を持つことが大切なのだと思います。
どんな習い事でも同じですが、意識して何度も練習している内に、いつの間にか無意識で反応出来るようになっていくものです。
ただ意識して自分を外側から見つめるようにする…というだけです。
怒りをコントロールする方法を学ぶことも、カウンセリングを受けることも、心理学を学ぶような必要も何もありません。
ただ内観するようにすればよいだけの話です。
もちろん、すぐに身に付くようなものではありません。
何年も何年もかけてやっていく必要があります。
私自身、まだまだ未熟な練習段階ですが、それでもやっていけば分かるのは、とにかく自分が楽になるということです。
特にお子さんをお持ちの方は、思い通りにいかない我が子に対して怒ってしまうこともあるでしょう。
怒ってしまった後に、やっぱり子供が可愛いものだから反省するのだけれど、また同じことを繰り返してしまい、どんどんヒステリックになっていって…。
最後には病気になってしまうかもしれません。
自分に自信が無いし、自分は出来ないけれど、相手に言うことは聴いて欲しい…、というのは、ずいぶん滅茶苦茶な話しですよね。
なんでそうなるかという一番の理由は、モノの道理を知らないということです。
全ての原因は相手ではなく自分にあるのだから、その自分の内面を見るための実践を行っていく必要があるのです。
当然、すぐに出来ることではありません。
何かのテクニックを求めて学んだとしても、それは本当の一時的なこと。
根本の器を大きくしていきたいのであれば、心の学びをしっかりしながら実践を繰り返していくしかないんですよね。
怒りをいつも抱えている人というのは、「自分が正しい!」という気持ちが強いのです。
表面上は謙虚で優しくしようと振る舞っているけれど、奥底では「自分が正しい!」という相反する気持ちがあるために苦しくなるのです。
その矛盾をいかに小さくしていくか…ということだけなんですよね。
「全ての答えは外ではなく自分の内にある!」
この本当の意味を理解して実践していく人が増えていくことを願っています。
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