中国意匠特許審査指南改訂案の公表(第1回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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対象:特許・商標・著作権

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中国意匠特許審査指南改訂案の公表(第1回)

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中国意匠特許審査指南改訂案の公表(第1回)

~中国で画面デザインの保護が可能に~

2013年11月8日

執筆者 河野特許事務所

弁理士 河野英仁

 

1.概要

 国家知識産権局は2013年10月25日外観設計(日本の意匠に相当)特許の審査指南案を公表した。


  アップル・サムスン訴訟でその有効性が証明された画面デザインを中国でも新たに保護すべく、改訂審査指南案において、出願方式、保護範囲、類否判断等について新たな審査・審理基準が追加された。


  スマートフォン、自動車の操作パネル、複写機、プリンタ、白物家電等、近年はありとあらゆる機器にディスプレイが設けられ、各種制御を、タッチパネル等を通じて操作する。中国市場に投入する製品についての画面デザインについては、今後は中国において権利化しておく必要があり、また競合他社の画面デザイン特許を侵害しないよう十分注意する必要がある。

 
 意見募集期限は2013年11月22日金曜日である。

 

 

2. 提出図面または写真

 審査指南第1部分第三章の「4.2 意匠の図面または写真」の改訂が行われた。画面デザインが保護されると言ってもあくまで「物」である製品の一部分として保護される。従って、図面を提出する際には、図形ユーザインターフェースの位置を十分に示すことができる製品全体の外観設計図を提出しなければならない。


  動的な画面デザインである場合、少なくとも一つの状態の上述の製品全体の外観設計図を提出すれば良い。画面デザイン以外の部分は変化しないため、少なくとも一つとしたものである。


  その他残りの動的画面デザイン状態については、キーとなる図だけを提出することができる。なお、提出した複数の提出図面により,動画の変化状態が特定される。

 

4.2 意匠の図面又は写真

・・・

平面製品の意匠については、物品の設計要点が1つの面だけに係わっている場合、当該面の正投影図だけを提供して良いとする。設計要点が2つの面に係わっている場合、当該2つの面の正投影図を提供しなければならない。

 

図形ユーザインターフェースを含む製品の外観設計について言えば,提出する図面は、図形ユーザインターフェースの位置を十分に示すことができる製品全体の外観設計図を含まなければならない。図形ユーザインターフェースが動的である場合,申請人は少なくとも一つの状態の上述の製品全体の外観設計図を提出しなければならず,その他残りの状態については、キーとなる図だけを提出することができ,提出した図は動的図案中の動画の変化状態を唯一確定することができるものとする。

 

 必要な際、出願人は当該意匠製品の展開図、断面視図、断面図、拡大図及び状態遷移図を提供しなければならない。

 

 

 

3.簡単な説明の記載

 審査指南第1部分第三章の「4.3 簡単な説明」の改訂が行われた。画面デザインについても「簡単な説明」を記載しなければならない。その際、画面デザインの用途を記載する。具体的には、画面デザインの製品全体における位置、製品とのインタラクティブ方式(画面の操作により製品がどのように機能するか等)、変化状態を記載する。

 

(6)意匠に係わる製品がセット製品に属する場合は、必要に応じて各セット部品が対応する製品の名称を明記する。

 

7)図形ユーザインターフェースを含む製品外観設計特許申請については,図形ユーザインターフェースの用途を記載しなければならず,必要であれば図形ユーザインターフェースの設計に対し説明を加えなければならない。例えば,図形ユーザインターフェースの製品における位置、インタラクティブ方式及び変化状態等である。

 

 簡単な説明には、商業的な宣伝文句を用いてはならず、且つ製品の性能と内部構造の説明に用いてはならない。

 



→第2回へ続く


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