リフォームする時、まず考えるのはその家が、住まう人にどれくらい愛されているかと云う事です。
住まう人が家に愛着を持っていなければ、大胆に家に手を加えますが、もしも愛着があり、何かの事情で家に手を加えざるを得なくなった住宅は、出来るだけ元の家の味わいを残す様に考えます。最近は世代を超えた家の在り方が注目されています。
リフォームの依頼を受け、築60年以上経った建物を調査に入りました。
先代が精根込めて建てた家を、ご主人が守っていましたが、息子さんの同居を機にリフォームを思い立たれた様です。しかし先代の思いが建物を見るだけで迫力としてこちらに伝わってきます。ご主人もこの家を愛しておられ、母屋は目立ったリフォームは行わず、耐震補強だけ行う提案をしました。この家はご主人が結婚する際に、裏に新婚夫婦様に離れを増築してあります。現在ご主人夫婦はそこに住まわれ、母屋は空家状態になっていました。ご主人夫婦が母屋に移られ、増築部分を大胆に改装して息子さん夫婦のライフスタイルに合う家にすると云う事で、案がまとまりました。
建物を建物と云う目線で見ると、経年数の大きい母屋の方が質が良く、離れの方が傷んでいます。この差は当然お金の掛け方もありますが、それ以上に思想的な問題があります。簡単に云えばどれだけ愛情を家に込められるかと云う事です。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
「●非常識な家の建て方教えます」のコラム
JHLの地域型住宅の助成金制度が満杯になりました(2013/12/02 08:12)
生命の起源(2013/10/08 09:10)
狭小敷地の住宅(2013/08/20 08:08)
リフォームするなら助成金を活用しよう(2013/04/25 07:04)
進化するキッチン(2013/02/23 08:02)
このコラムに関連するサービス
住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案
- 料金
- 無料
経済的な熱損失計算(性能基準)で、次世代省エネ基準を取得できる提案をします。
構造等級3を基本にご相談いたします。木造三階建て等で行う応力度計算も自社で行いますので、意匠と構造の齟齬がありません。
また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。
このコラムに類似したコラム
家族の形、家の形 宮原 輝夫 - 建築家(2011/05/31 10:25)
「住まいの相談室」でレクチャー 高安 重一 - 建築家(2011/02/20 12:00)
これからの建築設計事務所の選び方 齋藤 進一 - 建築家(2022/07/07 00:07)
人生100年時代のリスクマネジメント(住宅) 齋藤 進一 - 建築家(2022/05/20 08:00)
4月度YAHOO!知恵袋への回答 齋藤 進一 - 建築家(2022/04/04 08:00)