予算もない上に狭小住宅のリフォームのため制約も多く、普段のお施主様にはオススメできないようなアイディアも採用して、快適な我が家となりました。
主なリフォームポイントであるキッチンでは、吊戸棚を止めてポリカーボネート・ツインパネルの引き違い戸を天井まで設けました。扉越しに朝日が差し込む、明るく開放的なイメージに仕上がったと思います。
大小2段の水切棚は、下拵えした食材やボール、ざるを置いたりする作業台のように使っていて、吊戸棚よりよっぽど活躍しています。近年避けて通れない台所仕事の一つ、牛乳パックやプラごみ等を軽く水洗いした後の水切りにも重宝しています。
「吊戸棚レスキッチン」は機能的にもコスト的にも◎、連続するリビングとの空間的な相性も良く家族皆で大満足です。
キッチンやトイレ等リフォーム時に手を入れた壁を必要に併せて補強し、耐震性もアップしています。耐震改修を単独で行うのは大変ですが、「リフォームのついで」でできると割安で安心です。
(その分、設計作業が複雑になり悩ましいのですが…)
このコラムの執筆専門家
- 川瀬 康和
- (東京都 / 建築家)
- 一級建築士事務所 カワセ企画・設計
機能やデザイン、コストや将来計画など建築をトータルで考える
設計者がいることによる「クライアントのメリット」は、デザイン性や機能性だけにとどまらないと思います。建築の専門家である設計者の一人として、「クライアントに代わって汗をかくこと」や「建築に対して誠実であること」を意識して仕事しています。
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