「店長ってなんだかお父さんのようですね(笑)」
まだ、20代の私を捕まえてこう言ったアルバイトスタッフは、まだ16歳。中学を卒業し、高校生になり晴れてあこがれのマクドナルドでのバイトを始めたばかりでした。彼女にとって「仕事」は初めてのこと。バイトの先輩が丁寧に教えてもなかなか上手く出来ませんでした。そんな彼女に私がいつも言っていたのは「焦らなくてもイイ。焦ると表情が固くなってしまう。その方がお客様にとっては悲しいことだからね。上手く出来なくても、早く出来なくても、お客様を不安にさせないように丁寧にすれば良いんだよ。」と言う言葉でした。
そんな私の言葉に返すように言ってくれたのが、冒頭の彼女の言葉でした。当時は、この言葉の意味が今いち良く理解出来ず、「俺はおっさんか~そんなでかい子供はおらんぞ~」と受けていたのですが、最近になってこの時の彼女の言葉の意味がわかるようになってきました。
私は、彼女に対して「優しさ」とか「親切さ」ではなく、自然と「寄り添って」いたのです。そのことで、彼女は「安心感」を感じ、余裕を持って仕事に取り組むようになったのです。(確認はしていませんが、きっとそうです(笑))
このことを理解出来たのは、コーチングを学び始めてから「コーチとはクライアントに伴走して一緒にゴールを目指す」とか「コーチは、相手の脇に寄り添うことで横からそっと背中を押す」などの、コーチとしてのクライアントに対する「立ち位置」を学ぶ中で「あ、あの時の彼女の心理はこう言うことだったのかも知れない」と感じたからなのです。
コーチのクライアントに対する立ち位置は、たくさんのバリエーションがあります。これは状況によっても、クライアントのタイプによっても、コーチ自身のタイプによっても違うようです。私自身も、クライアントの正面に立つときもあれば、ちょっと離れた位置を取るときもあります。しかし、最も相手の立場を理解するのに適した位置は(私にとっては)すぐ横(どちらかというと相手の右側)です。
相手の右横に位置すれば、私にとっては、「利き腕である右手を相手から遠ざけています」さらに、「私の急所である心臓を相手から近い方に置いています。」つまり、相手の右側に位置すると言う事は、相手に対して「攻めず」「守らず」のニュートラルな位置関係を表しているのです。
この位置に身体を置くだけでも、相手は「防衛反応」が薄れます。そして、私に対して心を開きやすくなっている様です。もちろん、私も心穏やかに首をやや右に倒して、主に左耳で話を聴いています。左耳で聴いた方が、感情が理解しやすいからかも知れません。本当かどうかはわかりませんが、右脳で理解するには左耳で聴いた方が良いと言われますからね。
いずれにせよ、相手の横で話をじっくり聴くか、たとえテーブルとかを間において対面していても、気持ちを相手の横に置いた感覚で話を聴くことで、より相手の感情を理解しやすくなりますし、相手に取っては「見守られている」という安心感を得ることが出来るのだろうと思います。
「相手に寄り添う」・・・店長は、部下であるパート・アルバイトの横に自分の気持ちを置いて、相手を見守る気持ちを込めて話を聴くようにすれば、よりお互いの信頼関係を深めることが出来るのかも知れませんね。
まあ、いずれにせよ正面やや上方から見下ろされるよりは、この方がよっぽど良いですね。
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