大手企業と取引が増えて喜んでいたのに - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年11月14日更新

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大手企業と取引が増えて喜んでいたのに

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 わたしの住む東京西部で、精密機械の部品製造をしている経営者の方から連絡をもらいました。彼の会社が取引している大手メーカーが、中国での製造が難しくなって、日本で製造を増やす件です。ついては、この経営者の会社への注文を増やしたい。ただ、部品単価はこれまでより下げて欲しいと言うことです。

 単価を下げることに関して、受け入れるべきか、撥ねつけるべきか、経営者は悩んでいました。わたしの予測では、国内に同様の部品を作れる会社はあまりないはずで、撥ねつけても注文はあると踏んでいます。ただ、この経営者の会社の弱みは、現在取引している会社が3社しかないことです。しかも、この大手メーカーとの取引が6割近くを占めています。

 製造業の下請けの場合、以前は取引先の親会社が1社だけと言うケースも、珍しくない時代が長かったです。あまりのリスクの高さに、親会社の方から取引先を増やすように指示するほど、金銭的にも精神的にも依存の強い時代が長かったです。その後、下請会社は何度も荒波を受け、今では取引会社を増やし、経営リスクを減らす努力をしています。

 起業した人の中には、製造業ではなくても、取引先に依存している会社があります。建設の内装工事を行っているような場合、起業当初は自分で仕事をとる実績がないため、取引先から仕事を回してもらうようなことがあります。IT関連でも、HP作成や運営で、取引先の下請け仕事をあてにして、起業する人もいるほどです。

 要は起業する人の考えかたですが、できることなら起業するときに苦労しても、お客さんは自分で一社でも多く、一人でも多く作るべきです。下請け仕事は麻薬のようなもので、手っ取り早く売上げを上げることができます。その代わり、いつまで経っても自立できない状態が続きます。派遣社員などと同じで、仕事が多いときの安全弁の役割です。

 不況になりますと、とたんに仕事はなくなります。その時点から、お客さん作りをするのはたいへんです。大半の会社は、あっけないほど簡単に倒産することになります。起業では、単に売上げが増えればよいわけではありません。その裏づけとなる、しっかりしたお客さんを、少しでも多く作っておかなくてはなりません。

【一言】
 日本は、大手企業の下請けいじめが横行しています。米国では、このような取引先に対するいじめはないのか、たいへん関心がありました。スタッフに調べてもらったら、「米国に取引先へのいじめはまったくない」の返事でした。その理由は、取引に関してはそのたびに契約書を交わすため、契約にないことを要求すると、裁判沙汰になるようです。日本でも、国が取引に関する契約書の作成を義務付ける必要がありそうです。

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