
- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
さて、前回のコラムで書いた通り、規格ハズレの大きさ・太さの材料を用い手工事が進められるわけですが、こんなに太くて長くて重たい材料を一生懸命加工しているのは、見た目を派手にするためではありません。
「耐久性」が欲しいからです。
「住宅ローンで精一杯なんてつまらないしねっ」
等というCMも有りますが、フラット35を使って、住宅ローンを35年間で組むんだから、
「住宅ローンが完済する前に建て替えなんてつまらないしねっ」
と逆に問いかけたいのです。
もちろん、そのためには普通に桧で建てても良い訳ですが、やはり、
【材料が全て・材料さえ良ければOK】
と言うのではなく、耐久性をあげる”気遣い”が大事だと思います。
寒冷地を除き、今はキソパッキン工法が主流となってきましたが、基礎のコンクリートと木の土台の間に入れるパッキン、通常はプラスチックのような樹脂で出来てます。
「これって持つの?」
とお客さんに聞かれることがあります。
「メーカーは持つと言ってます」と答えざるを得ないのですが…
そこで、写真はステンレスのキソパッキンです。
これなら耐久性アップ間違いなしです!
ちょっとした気遣い・ちょっとした予算増が大きな耐久性増に寄与します。
住宅で基礎パッキンを樹脂からステンレスに換えても、その差額は10万まではいきません。
設備のグレードを上げてても、見た目は変わりますが、家の耐久性は上がりません。
後から交換できない部分は、しっかり予算を取るべきだと思っています。
尚、ティンバーフレームに関しては、こちらもご覧下さい。