「君は、A店を訪問中に、他の担当店舗のことを具体的に想像出来るか?」
私が、スーパーバイザーになり立ての頃、上司から言われた言葉です。それは、それまで一店舗の店長であった私には、全く理解不能な言葉でした。その現場におらず見てもいないのに解るわけが無い・・・そう思っていました。しかし、今私は、色々なチェーン店のスーパーバイザー育成のお仕事をさせて頂くとき、彼らに同じ言葉を投げかけています。
「あなたは、A店を訪問中に、他の担当店舗のことを具体的に想像出来ますか?」
ほとんどのスーパーバイザー達は、かつての私同様に、「いいえ、出来ません」と答えます。そりゃあそうでしょう。でも、スーパーバイザーとは、四六時中これが出来なければ仕事にならない仕事なのです。
スーパーバイザーの身体はひとつ。担当店舗は、会社によって違いますが、5店舗から多くて20店舗。目の前の現象、問題点だけに対処していたら、やっている仕事はただのモグラたたき。しかも、訪問出来るチャンスは月に1回か2回。イベントが重なったり、担当店舗でトラブルが起きたりすると、他の店はもう放置状態になります。そして、必死にミッションをこなそうとすると、労働時間は長くなり、休みは取れなくなり、やがて疲弊していくのです。
しかし、優秀なスーパーバイザーは、こういう状態を難なくこなしています。いったに何が違うのか?スーパーバイザーになり立て頃の私は、優秀な先輩の行動をつぶさに観察し、質問攻めにして学びました。そうして発見したのが、昨日のブロクで書いた「問題意識」と「想像力」だったのです。
優秀な彼らは、指示を待ちません。自分が感じた「問題意識」を元に行動しています。だから、上司や会社から指示が来るころには、すでに手を打っています。先に動こうとすると、予定が組めます。問題が大きくなってから動こうとすると、その事案を元にスケジュールを組まざるを得なくなります。
私が危機管理の基本を学んだ本の著者である「佐々淳行氏」は、危機管理は「緊張感を持って準備し、もしも事が起きれば楽観的に対応する」と言われていました。毎日担当店舗を巡回していたり、新聞やネットやテレビなど世の中にあふれる問題点を危機感・問題意識を持って受け止めていたら、担当店舗で同じ事が生きないようにあらかじめ対策を取れるのです。
わかりやすい例が、台風対策です。日頃から、台風時にどういうリスクがそれぞれの担当店舗にあるかを把握しておけば、台風が近づいて来たら、その懸案箇所に対する対応を指示確認出来ます。これを把握していなかったら、暴風雨の中、もしくは台風が去った後、発生した事故に対する事後処理に奔走しなくてはなりません。優秀なスーパーバイザー達は、一様に何事も無かったかのように次の仕事に向かっていました。先輩達や佐々氏から危機管理の基本を学んだ私は、これにずいぶんと助けられました。
さて、そこそろ、台風がやって来る季節ですね。あなたは、スーパーバイザーとして自分の担当店舗が持っているリスクを詳細に且つ危機感を持って把握していますか?未だ台風が来ていない今こそ、問題が大きくならないように対策を取りましょう。そして、いざ台風がやって来たら、再確認と指示をし、被害を最小限に食い止めましょう。
転ばぬ先の杖とは、危機管理のことです。
問題が発生しない状態。それが最高のスーパーバイジングですよ。お忘れ無く!
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