「スーパーバイザーって、身体はひとつ、店舗は10店舗!だから、頭を使わないと責任は果たせないのよ!」
ある優秀なスーパーバイザーは、後輩の新人スーパーバイザーにこう切り出しました。この新人スーパーバイザーは、明日からのキャンペーンのPOPが店舗に届いていないことを、店長から報告を受けていました。そして、その問題を解決するために、本社に連絡を取っていました。しかし、ベテランスーパーバイザーは、新人がその一店舗のトラブル対応だけで安心している姿を見て、アドバイスをしたのです。
「1店舗で起きていることは、他の9店舗でも起きているかも知れない、と考えなさい。今からすぐに、残りの店に電話するのよ。」
「え?でも、他の店からは特に連絡は入っていないんですけど。」
「そこがダメポイント!!店が気がついていないかも知れないじゃあない。本の9回電話をして確認すれば済むことなのよ。明日になって慌てて連絡してきたら、もっと手間が掛かるのよ。私は、今から私の担当店舗に連絡して確認するわね。だって、あなたの担当店舗で起きていることは私の担当店舗でも起きているかも知れないからね。」
と言ってベテランスーパーバイザーは、次々と担当店舗に確認の電話を入れました。実は、彼女は、昨日の毎日の営業報告時に、POPの納品について8店舗からは問題が無いことの連絡を受けていました。なので、彼女がこの時に電話をして確認したのは2店舗だけ。彼女は、問題が起きる前に「問題が起きていないこと」の確認をしていたのです。
出来の悪い管理者、上司、マネジャー、スーパーバイザーは、「問題が起きてから」行動します。ほとんどが事後処理なのです。優秀なスーパーバイザーは、それを一度経験すると、二度と無いようにそれを事前確認事項に追加します。また、一店舗で起きたこと、他エリアで起きたことも、自分の店だったらどうなんだろうか?と、想像して行動します。
最近、コンビニのアイスクリームショーケースの中に横たわった写真や、冷蔵庫に入っている写真をネットに投稿して大問題になっています。私は多くの飲食チェーンでも、自社で同じ事が起きないように何らかの対策を取っているもんだと思ったのですが、これが意外にも、対岸の火事のように感じて「自社では問題ない」と決めつけている会社が多いのです。
恐ろしい自己満足感ですね。こういうレベルは「自社のスタッフを信じている」というレベルでは無く、お客様に対する責任を放棄している無責任なレベルだと私は思っています。スタッフは、全員、聖人君子ではありません。どこまで行っても100点にはなかなかなれないものです。もしも0.1%の可能性があったのならば、再確認、再教育必要があります。それがお客様に対する責任です。
もちろん、冒頭に出てきたベテランスーパーバイザーは、テレビや新聞報道があったときに、自分の担当店舗に対して再確認をしたそうです。なぜならば、報道を見たときに「うわあ~これは、あの店とあの店はヤバイかも知れないな~」と思ったからだったそうです。
スーパーバイザーの役割は、「転ばぬ先の杖」であることです。それには「問題意識」と「想像力」が大切です。この記事を読んだ、マネジャー・スーパーバイザーの皆さん!危機感を持って、問題意識を高めて、想像力で全店の予想をイメージして、ほんの少しでもピンときたら、早めに確認しておきましょう!
今の5分を惜しんで後の5日を棒に振るようなことのないようにね~
※冒頭の杖の写真は、大田区の睦化工株式会社 の製品です。
いつもお読み頂きありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
※クリックして人気ブログランキングへ
■松下雅憲の著書について詳しくお知りになりたい方はこちらの画像をクリック!
■松下雅憲への「コンサルティング依頼」「講演・セミナー・研修依頼」についてはの公式ホームページへどうぞ
■松下雅憲が紹介されたページはこちら