今回は、投球恐怖症の臨床報告を一つご紹介しましょう。
大学生の右投げピッチャー、左足の母指を負傷してから、徐々に投球恐怖症に陥ったケースです。
その方は、左足の母指を負傷してから、しばらくリハビリをしながらの投球をしていたそうです。
その後、投球時にボールがすっぽ抜けるようになり、抜けないように腕に力が入り、今度は引っ掛けてしまうようになり、徐々に、それが怖くて投げることがうまくできなくなったようです。
比較的よくあるパターンです。
ケガの後は、心理的に焦りや不安があります。
その心理状態は、本人が思っている以上に身体の調整機能に大きな影響を与えます。
まずは、足の状態も含め、全身の機能的バランスを分析。
本人はどうしても、右腕が硬直して投げられなくなると訴えていますが、カラダの機能面から分析してくると、右腕ではなくケガをした左足が大きく崩れていました。
踏み込む左足が機能的に不安定なので、結果的に腕の振りに影響を与えているようです。
私たちのカラダの調整機関の中枢は、脳・神経系になります。
人は重力の元、二足歩行をしていますので、足から情報は身体全体の調整に影響を与えます。
砂利やぬかるみで、投球し辛いのと同じです。
しかし通常、私たちの脳・神経系はとても学習能力が高く、どんどん適応しようとします。
ここでポイントなのは、心理的要素です。
通常、脳はカラダの状態や外界環境を把握しますので、足の状態が悪くても、それなりに身体バランスを整え、投げることができます。
しかし、ここに、心理的要素が加わると、脳の情報収集能力が極端に低下します。
その結果、うまく身体のバランスが維持できずに、腕の振りがぎこちなくなるわけです。
そして、ぎこちない投げ方による心理的ストレスがさらに追い討ちをかけ、投げれば投げるほど、負の循環にはまります。
この負の循環のまま、投げ続けると、今度は間違ったカラダの使い方を学習させてしまいますので、
どんどん深みにはまります。
施術は、足を含む、全身の機能的バランスを調整し、心理的要素で起こる脳・神経系の緊張を切り替えるような施術を行ないました。
施術後、確認してみると、投げる時に腕が力み、一度止まってしまう現象が消失。
スムーズな腕の振りが戻りました。
後は、投げる時のポイントをアドバイスし1回目の施術を終了。
あと数回、脳・神経系を再学習させれば、すぐ従来の投球に回復すると思われます。
投球恐怖症でお困りの方は、ぜひご相談下さい。
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(臨床報告は、患者の同意の下、個人の特定ができない範囲でご紹介しています)
山中 英司
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このコラムの執筆専門家

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臨床を通して痛感することは、体は心の鏡のような存在だということ。様々な症状の裏には、もう一人の自分からのメッセージが隠されています。カラダを診るプロフェッショナルとして、クライアントの心とも真剣に向き合うことを信条にしています。
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