「この辺りでマクドナルドを探しているのですが、ご存じないですか?」
私が大阪ミナミのマクドナルドで店長をしていたときのことです。そのお店は、戎橋商店街の中にある店。間口は狭かったですが、角地に有り、割と目立つ方の店でした。しかし、その商店街から50m隣、たった一筋隣の御堂筋を歩くひとが、ほんのすぐ近くにある私の店のことを知らなかったのです。
当時、大阪ミナミの繁華街には、私のいた店を含めて、5店舗のマクドナルドがありました。今はもっと多いですけどね。もちろん、もうその当時でも超有名チェーン、誰もが知っているブランドです。だから、誰もが、難波、戎橋、心斎橋・・・大阪ミナミを歩く人達は全員、マクドナルドの名前も場所も知っている。そう思っていました。
しかも、私たちの店の目の前には、平日で1日10万人、土日になると13万人もの通行者がいます。私は、店の前を歩くこの大量の人の波から、お客様を捕まえることで、この店の売上げ対策は十分と考えていました。
なので、最初にした仕事はアルバイト不足の解消。絶対数でたった40人しかいなかったアルバイトの数を、3ヶ月で100人にし、接客スピードを短縮し、売り逃しを無くしていったのです。しかし、10万人という多くの人の流れからお客様を捕まえようと一生懸命に呼び込みをしても、「その気」の無いお客様には、そう簡単には響きません。順調に伸びていった売上げが停滞し、ちょっと限界を感じ始めていました。
そんなある日、私が店から50m離れたところにある御堂筋を歩いていると、道を尋ねられたのです。
「この辺りでマクドナルドを探しているのですが、ご存じないですか?」
私は、ビックリしました。
もちろん、すぐに自分お店の場所を教えてあげました。しかし、同時にこんな事も考えました。
「あれ?こんな近くを歩いていても知らない人いるんや。いや、さっきのひとがたまたま田舎もんだったんちゃうか?」(大阪弁です)
私たちの店は、商店街の中。御堂筋は、50m先。人はたくさんいます。しかも、そのまた先にもたくさんの人がいるけれど、その辺りにはマクドナルドはありません。
「そうか・・・自分は目の前の通行人しか見ていなかったけれど、もしも少し離れているところにいるひとが、この店のことを知らないんだとしたら・・・そして、その人たちがこの店のことを知ったら・・・対象になるお客様の数は倍増するな・・・・」
私が最近実施しているセミナーやコンサルティングでよく使う言葉に「知らないお客様は来られません」というものがあります。これは、「店の存在そのものを知らないのに、そのお客様は来られるわけは無いですよね」という意味です。たまたま来ることはあるかも知れませんが、たまたま以外では絶対に来られないのです。
でも、知っていたらどうでしょうか?生活動線自体はなかなか変えないのが人間ですが、レジャーや買い物の時は普段ほど行動・経路に束縛や習慣はありません。チョットしたキッカケがあれば来て下さる可能性があるのです。
私は、通行人から道を尋ねられた翌日から早速、店舗周辺の「認知度調査」を始めたのです。
続きは、また明日!
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