私が大昔(本当にかなり昔(笑))店長になったとき、上司であるスーパーバイザーおっしゃいました。
「松下さん、あなたの店の前にはバス停があるよね。あなたの店のお客様はそのバス停を利用していますか?」
「そうですね、かなり多くのお客様が利用されています。」
「そのお客様は、どこのバス停から乗られますか?また、どのバス停で降りられますか?」
私はその質問には答えられませんでした。なぜならば、お客様の後を付けたりしたことは無いからです。スーパーバイザーは、出来るだけ多くのバス利用のお客様がどこら辺りで降りるのか?を調べなさい、と指導して下さいました。
私は、地図を持ち、色々な時間帯の、色々なお客様の後を付け、バスに同乗し、その方々が降りられるバス停を調べました。何ヶ月かかかって100件ほど調べました。地図には、バス路線に沿ってたくさんの印がつきました。意外なことに、お店からそんなに遠くないところにもたくさんの印がつきました。後日、その印のついたところのバス停で降りて、探索すると、そこには住宅街が有りました。お陰で自分のお店のお客様が、どこから来られているのか?何となく実感することが出来ました。
私が店長をしていた店は、あるスーパーマーケットの店頭にありました。私の店のお客様は、学生を除けばほとんどのお客様がそのスーパーの利用客。私の地図に付けられた印は、そのスーパーの利用客の範囲でもあったのです。そのスーパーには、広い駐車場がありましたから、自家用車での来店範囲はもっと広かったことでしょう。でも、バス利用の客様は、毎日のようにスーパーにお買い物に来られていました。お客様のお尋ねしてみると、確かに、平日はバス。日曜日はパパの運転する車で家族で来店、そんな当たり前のこともわかってきました。
これは、1983年頃のお話しです。来店客調査も、GIS(地理情報システム)も未だありません。新人店長の私には「商圏」という概念自体もありませんでした。しかし、スーパーバイザーの指導のお陰で、お客様が来店される範囲が良くわかり、チラシをポスティングするエリアやポスターを貼り行くエリアが具体的にわかったのです。
あなたは、自分が経営しているお店のお客様が、どこから来られているのか把握していますか?
平日の昼は?夜は?土日は?
どんなお客様が来られているのかは、見ればわかります。男性、女性、年代・・・大体わかります。しかし、どこから来ているのかはわかっていません。多くのお店は、お客様が来られるのを待っています。でも、待っているだけでは、攻める場所(例えばチラシを折り込む場所)は、適当になります。大量の広い範囲に折り込むのならば未だ良いでしょう・でも、いつもそんな予算はあるのですか?ピンポイントで最も効果の高いエリアを攻める方がコストも安く出来るのです。
でも、それは「商圏」を知らないと出来ません。
その「商圏」は、観察したり、お客様にお尋ねしたりすると具体的に見えてきます。
見えてきたら後はその場所に具体的な行動を取れば良いのです。
「商圏」を見る癖がついてきたら、「変化」が見えてくる様になります。「動線」や「人口動態」もわかる様になります。「競合」の動きも見えてきます。そうすれば、待ちの営業」や「リピート客頼り」の危険性も理解が出来る様になります。
夏の熱い日や冬の寒い日に外に出るのはおっくうかも知れません。でも、お客様はそう言う日でも来て下さいます。平土日・朝昼晩・春夏秋冬・・・あらゆる時間にお客様がどこから来られているのか?まずはこれを知ることが「店長」の仕事のファーストステップです。
時間が空いたら、チョット「商圏」をのぞきに行きませんか?
きっと新発見があるはずですよ!!
いつもお読み頂きありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
※クリックして人気ブログランキングへ
■松下雅憲の著書について詳しくお知りになりたい方はこちらの画像をクリック!
■松下雅憲への「コンサルティング依頼」「講演・セミナー・研修依頼」についてはの公式ホームページへどうぞ