猿の肝の物語 - コラム - 専門家プロファイル

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閲覧数順 2024年04月23日更新

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猿の肝の物語

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徒然日記

昔から日本に伝わる話の中に「猿の肝」というものがあります。

その物語は次のようなものです。



海原にウミガメの夫婦が住んでいました。

ある日、ウミガメの妻が妊娠して、夫にこんなことを言います。

「栄養を付けるために猿の肝を食べたいわ。」

「わかった。じゃあ、取ってくるよ。」

と、夫のウミガメは猿の肝を探しに行きます。



ウミガメが陸地沿いに泳いでいると、一匹の猿が木の上で果物を食べているのを見つけました。

そこでウミガメは猿に声をかけます。



「お~い、猿さん。」

「なんだい?」

「そんなものより美味しい実が生る木があるのを知っているかい?」

「え!それはどこにあるんだい?」

「海の向こうにある離れ小島にあるんだけれど、良かったら背中に乗せて行ってあげようか?」

「ぜひお願いするよ!」



と、ウミガメの背中に飛び乗った猿。

しばらく泳いでいった時、猿はウミガメに尋ねます。




「その小島はどこにあるんだい?」

「いや、実はね…。そんな小島は無いんだよ。」

「なんだって!?」

「私の妻が妊娠してね。猿の肝を食べたいというので君を連れて来たんだ。」



それを聞いた猿は、こう答えます。



「なんだ、そんなことか。それなら早く言えば良かったのに。今日は天気が良かったから、さっきの木に僕の肝を干してきてしまったよ。」

「え!そうだったのか!それならすぐに取りに戻ろう。」



と、ウミガメは猿を陸地に連れて戻ってきました。

陸地に着いてヒョイと背中から降りた猿は、こう言いました。

「黙されて着いていった僕もバカだったけれど、カメさんも同じだね。」



相手に騙されてしまった…というような話しを聞くこともありますが、どうして騙されてしまうかというと、自分の中にエゴがあったからなんですね。

「儲かるかもしれない…。」と美味しい話に食いついてしまうわけです。



何も金銭や物に関してだけのことではありません。

「あの人のために何かをしてあげよう…。」

「地球環境のために良いことをしよう…。」



そう建前では言うものの、奥底に隠れている本音が違うこともあります。

「こんな有名な人と知り合いなのがステータスだ。」

「自分は良いことをしていると世間にアピールしよう。」



などというエゴが隠れているばかりに、相手を見極められないんですね。

自分の欲求が先に来てしまい目が曇っていると、相手の本質、物事の本質というものが見えなくなってしまいます。



また、猿の肝の話は別の側面も表します。

「妻のために…。」と思っている夫のウミガメの行動は、誰かの犠牲になっているのですが、それに気付いていないわけです。



「平和のために…。」と活動している平和運動家が、結果的に誰かと争って、その裏にある犠牲に気付かないのであれば…。

このウミガメと同じことをしていることになるのです。



上記のケースは全て、自分の外に気を向けてしまった結果です。

自らの内なるものに目を向けていないわけです。



こんなウミガメや猿にならぬように…。

しっかりと目を見開いて生きていきたいものですね(^_-)-☆



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