「ケガの保険≠傷害保険」に対して、その根拠が明確に見出せないのでは
ないでしょうか?
そもそも傷害保険とは、
「傷害による勤務制限によって収入減を補填する」ために商品化されたものです。
しかし、この保険に「通院特約」が付けられてからは、売り手側の販売促進
という意図もあり、「とにかく1日でも通院すれば○○○○円貰えるんですよ」
というセールストークが乱用されるようになりました。
すると「ケガで1週間通院をしたからといって収入減とはならないケースが
大半なのに給付金が貰える」という実態が頻発するようになりました。
これは、必然的に「いかにして給付金を貰えるか」をチラつかせることにも
繋がってしまい、結果的には、保険事業収益の悪化=保険料UPになってしまう
ことになります。しかし、これでは本末転倒ですよね。
傷害保険の解釈として「ケガで、入院したら給付金が貰える」というのは、
厳密には誤りで、
そのケガの原因が「急激かつ偶然で、外来によるもの」でなければなりません。
この理屈からすれば、「ぎっくり腰」や「酒酔いによる転倒での負傷」、「競技中
の肉離れ」などは論理上対象外となることが理解できるものと思われます。
また、「地震の揺れによる階段からの落下での負傷」も天災危険担保特約を付保
していなければ、免責(対象外)です。
逆に「集団食中毒」や最近の「ギョーザ事件」による入院(下記※参照)などは、
「災害」と認定されることから、「ケガ」でなくても、給付金支払事由に含まれます。
このことからも、「傷害保険=ケガの保険」ではなく「傷害保険=災害補償」
であるという認識が正しいということがご理解戴けたのではないでしょうか。
※約款には、「身体外部から有毒ガスまたは有毒物質を偶然かつ一次に
吸入または摂取したときに急激に生ずる中毒症状
(継続的に吸入、吸収または摂取した結果生ずる中毒症状を除く)」と
ありますので、支払対象となります。