「では、この3日間を振り返ってみましょう。自分の理想を100点としたら、何点くらい出来たと思いますか?」
店長は、今日で3日目を迎えた新人アルバイトKさんに、3日目の最後の1時間を使って面談をしました。そこでした質問が、この自分の得点付け質問です。
Kさん「はい・・・・60点くらいかな・・・」
店長「お!合格点ね!いいよ~。じゃあ、この60点分出来たところはどんなところだった?」
Kさん「まず、遅刻をしないでちゃんと来ました!」
店長「素晴らしい!」
Kさん「一生懸命出来ました!」
店長「凄いね~さすがです!」
Kさん「トレーナーのBさんが言われた『3日間でここまでは出来る様になろう』という目標は出来ました。」
店長「素敵だわ~。でも、そこまで出来ているのに、何故60点なの?もっと高くはないの?」
Kさん「今日、同じ新人のMさんと、教えあいっこをしたんですが・・・上手く教えられなかったんです。練習はしたんだけれど・・・・言葉が出てこなかったから・・・」
店長「Kさんは、自分に厳しいのね。でも、素晴らしい意識だと思うよ。良くがんばったね。」
店長は、Kさんが、ごく当たり前のポイントについて「出来たこと」を言ったときに、それに対して「あたりまえ」とか「普通」などと否定したり流したりはしませんでした。多くの上司、リーダーはここで、「配慮のない言葉」で部下の気持ちを萎えさせてしまいます。
「遅刻なんて、しないことが当たり前!仕事のことを言って頂戴!」
「遅刻をしないことは、普通のことなの!出来たとか出来ないとか言うレベルじゃあないのよ!」
「毎日仕事に遅れずに来る」・・・上司にとっては、常識、普通、当たり前でも新人にとっては、もの凄いことなのです。それを否定してしまったら、新人の気持ちはどん底に落ちてしまいます。
軽く流されても同じ事です。
「で?」
「それから?」
こういう軽くスルーされた言い方は、ほとんど「否定」と同じインパクトを相手に与えてしまいます。こういうスルー的な反応をする上司って意外に多いのです。気をつけたい大切なポイントです。上司やリーダーにとって、ごく当たり前のことを発言しても、「なるほどね~」「凄いね~」「ほおお~そうなのか~」と、ややオーバー目の反応を返すことが、次の発言の意欲に繋がります。
否定されたり、スルーされたりすると、徐々に意欲が低下し、思考能力も低下していきます。せっかく面談をしても新人の意欲を低下させてしまっては意味がありません。相手の目を見て、ひと言ひと言に真剣に反応していきましょう。
さあ、今日もスタッフとのコミュニケーションのチャンスがやってきます!
まずは、相手の話にしっかりと反応しながら、相手がもっと話したくなるように心がけて参りましょう!
「相手軸!相手軸!」
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