時間外手当・割増賃金・残業代の基礎、その2 - 民事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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閲覧数順 2017年02月19日更新

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時間外手当・割増賃金・残業代の基礎、その2

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時間外・休日労働の割増賃金(労働基準法37条1項)について、以下の場合には、労働時間・休憩・休日の規定の適用が除外される。

・管理監督者(労働基準法41条2号)

・機密事務取扱者(同号)

・監視・断続的労働従事者(労働基準法41条3号)

 

深夜割増賃金(労働基準法37条4項)については、労働基準法41条2号の規定により適用が除外されない。したがって、労働者は、深夜割増賃金を請求できる。

ただし、一定額の深夜割増賃金が支払われている場合には、超過分についてのみ支払義務が生じる( 最判平成211218)。

 

 

管理監督者(労働基準法41条2号)

労働基準法には、明確な定義規定がない。

裁判例の多くは、「労働条件の決定その他労務管理について使用者と一体的な立場にある者」と解されている。

職務内容、権限と責任の重要性

・使用者の人事労務や経営に関して、職務、権限、責任が重要な事項におよんでいるか。

・企業の経営に関する意思決定について、どの程度関与しているか。

・他の従業員と同じ現場業務・職務にどの程度従事しているか。

・他の従業員の労務管理・職務遂行にどの程度関与しているか。

・労働者のうちに管理監督者の占める割合・人数

[証拠の例]

・雇用契約書

・企業や部門の組織表

・職務の範囲、権限等を定めた文書

・稟議書

・労働者名簿

勤務態様

・労働時間の自由な裁量、または、拘束の有無・程度

・労働時間の管理の有無・程度

[証拠の例]

・タイムカード、出勤簿、

・出勤シフト表

賃金・手当・一時金等の待遇

・役職手当の有無・金額

・役職手当が実質的に割増賃金等の代わりに支払われていないか。

・役職手当が支払われていない場合、当該労働者の賃金の額が、当該企業の給与体系から見て、職務等にふさわしい順位・金額か。

・労働者が管理監督者に昇進した際に、賃金等の額がどのように変更されたか。

  [証拠の例]

  ・賃金規程

  ・賃金台帳

(労働基準法108条、労働基準法施行規則54条1項により、賃金台帳に、労働者ごとに、労働時間、延長した労働時間、休日労働時間、深夜労働時間を記録し、労働基準法109条により3年間保存。)

  ・給与明細

 

 

機密事務取扱者(労働基準法41条2号)

「秘書その他職務が経営者または管理監督者の活動と一体不可分であって、出社退社について厳格な制限を受けない者」をいう。

 

 

監視・断続的労働従事者(労働基準法41条3号)

・監視従事者とは、「原則として一定部署にあって監視するのを本来の業務とし、常態として身体・精神的緊張の少ない労働に従事する者」

・行政官庁の許可をうけた者であることも要件(同号)

 

・断続的労働従事者とは、「休憩時間は少ないが、手待ち時間が多い者」をいう。行政官庁の許可が必要。

断続的労働従事者の許可基準

・事故発生に備えて待機する修繕係

・寄宿舎の賄人

・鉄道踏切番

裁判例で問題となった具体例

・守衛

・学校の用務員

・隔日勤務のビル警備員(労働時間について定めた通達あり)

・高級職員専門の自動車運転手

・団地管理人

 

宿日直勤務(労働基準法施行規則23条)

「所定労働時間または休日における勤務の一態様であり、当該労働者の本来業務は処理せず、定時的巡視、緊急の文書・電話の収受、非常事態発生の準備等を目的とする職務のため待機する者」をいう。

・行政官庁の許可が必要。

 

・行政官庁の許可を受けていない場合、許可を受けたが勤務実態が許可内容と異なる場合

労働基準法41条3号、労働基準法施行規則23条の適用を受けず、時間外賃金等の支払義務が発生する。

 

 

 

・定額手当(固定残業代)、定額給制

割増賃金・時間外手当( 最判平成6613高知県観光事件)

時間外手当として、支払われていることが基本給との明確な区別

時間外手当が労働基準法で計算した場合よりも高いこと

時間外手当として支払われていることが労使で合意されていたこと

なお、残業代の精算の趣旨であれば、(全部または、一部の)弁済の抗弁となる。

 

 

消滅時効

2年(労働基準法113条)

内容証明郵便で催告(民法153条)したうえで、6か月以内に裁判上の請求

 

 

未払い賃金などの遅延損害金

年6%

退職者について、退職日から年14・6%(賃金支払確保法)

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