- 村田 英幸
- 村田法律事務所 弁護士
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
A、抵当権などの担保権を有する債権者は、優先的に弁済を受ける権利を持っています。これを倒産法では、別除権といいます。
このケースは二つの場合に分けて考えられます。
(1) 会社も社長個人も破産した場合
会社と社長個人に破産管財人がつきます。社長も破産した場合は、社長の破産管財人が抵当権者の同意のもとで任意売却するという方法があります。抵当権者が競売の申立をした場合は、競売が実行されます。これらの場合には、社長は引越代をもらうことはできません。破産管財人が破産した社長個人の財産を管理したり処分する権限を持っているからです。よって、社長個人にはお金が渡らないのです。
(2) 会社は破産したが社長個人は破産していない場合
会社の社長には破産管財人がつきません。会社の社長が分割払いをするなどして抵当権者と話がつけば、家を残すことが可能な場合があります。
しかし、抵当権者が承諾しない場合には競売され自宅を残すことができません。ただし、競売手続申立があっただけで自宅から出ていく必要はなく、競売手続申立開始から6ヶ月以上は競売が完了するまでの間、自宅に住んでいることは事実上可能です。
抵当権者と協議して社長が任意売却することもできる場合があります。この場合には、社長は引越代などをもらえるケースもあります。